LINE(ライン)では、2019年頃からユーザー同士が友達ではなくても、共通のトピックで交流できる「オープンチャット」というサービスを提供しています。ゲーム、スポーツ、副業、音楽、アイドルなどテーマは多岐にわたっており、みなさんのなかにも頻繁に使っている人たちもいるはずです。
ところが、サービス開始から数年が経過した現在、オープンチャットに関するトラブルが発生しています。その性質を知ることで、オープンチャットの危険性と安全な利用の方途が見えるはずです。
この記事では、LINEのオープンチャットに関する事件4選をまとめています。また、オープンチャットを安全に使うポイントも解説していますので、参考にしてみてください。
- LINEのオープンチャットに関する事件がわかる。
- LINEのオープンチャットを安全に使う方法とリスクについて考えるきっかけになる。
LINEのオープンチャットに関する事件4選
さて、LINEのオープンチャットに関して、これまでどのようなトラブルが発生しているのでしょうか?
ここでは、代表的な4つの事件について紹介していきます。
事件1 いきなり誹謗中傷を受ける
第1に、オープンチャットに参加したときに、不特定多数のユーザーから暴言を受けるというトラブルが多発しています。
オープンチャットは匿名で参加できるので、無責任な発言が横行する危険性があります。本名が晒されない以上、何を言っても知ったことではないと軽率に攻撃な言葉を使う人たちもいるわけです。実際に、みなさんのなかにも、被害に合った経験のある人たちもいると思います。
しかしながら、誹謗中傷の内容次第では、犯罪行為に該当する場合があります。すなわち、暴言を吐いた結果、被害者から訴えられる可能性があるわけです。勘違いしている人たちもいるかもしれませんが、匿名でいられるのはルールを守って安全に使っているときだけです。
一度、社会のルールを無視すれば、法的な手段で本人を特定するのは簡単です。とはいえ、個人が誹謗中傷に対して真っ向から戦うという意思を示す余裕や知識があるとは限りません。その意味では、泣き寝入りになってしまうこともあるわけです。
事件2 未成年が性被害を受けている
第2に、オープンチャットでは、未成年が性被害を受ける事件が発生しています。
具体的に言うと、小学生のユーザーがオープンチャットに参加したときに、同じ年齢になりすました大人たちから「裸を見せて」や「どんなパンツ履いているの」といったメッセージを送信されるといった性的な嫌がらせを受けるといったトラブルも起きています。
警視庁の報告によれば、2020年のSNSで未成年が犯罪に巻き込まれた件数は1,800件を超えています。恐ろしいことに、匿名性を隠蓑に子どもたちを狙う悪しき大人たちにとって、オープンチャットは都合の良い道具なのかもしれません。
だからこそ、未成年の子どもたちにオープンチャットのリスクについて学ぶ機会が必要不可欠です。実際、闇雲に利用を制限しても、隠れて使う人たちもいます。それよりも、危険性と安全な使い方を教えることが重要なのではないでしょうか。
事件3 陰謀論のコミュニティになった
第3に、具体例は避けますが、陰謀論のコミュニティとして機能するという事件が起こりました。
オープンチャットのテーマは基本的に自由です。そのため、世の中で主流となっている考え方とは反対のイデオロギーを掲げる人たちが利用する可能性もあります。もちろん、思想・信条は個人の自由な選択に委ねられています。価値観は人それぞれですし、世間の常識が必ずしも正しいとは限りません。
とはいえ、「正義」と「悪」の極端な二元論に陥ったトピックは少々、暴力的になりがちです。目的のためには手段を選ばないようなテロリズム的な発想も生まれやすいので、一定の距離を取って真偽を判断する必要があると思います。
社会のルールを破れば、罰せられるのは当たり前です。そして、その後は犯罪者の汚名を背負って生きる必要があります。軽率な気持ちで参加した場合は、その後に生じる不利益に心理的に耐えられないおそれがあるので、くれぐれも注意してください。
事件4 LINEの社員がなりすまし投稿を行った
第4に、2021年にLINEのグループ会社「LINE Fukuoka」の社員が運営業務の一環としてオープンチャットで、女子高生や不登校の生徒になりすまして投稿するという事件が起きました。
週刊文春の記事によると、LINE本社からの指示で「LINE Fukuoka」の所属する男性社員がサクラとして投稿していたようです。LINEは事実関係を認めており、運用方針を見直すと報告しています。
とはいえ、コミュニケーションを提供するサービスであるならば、コミュニティの品質を保つために自作自演の施策を検討するのはあり得ることです。
もちろん、世間を騙したり、ステルスマーケティングを企画したりすることは許されませんが、オープンチャットの文化を形成するために、社員がテコ入れするのは仕方がないような気がします。むしろ、何もせず放っておくと、悪質なユーザーの溜まり場になってしまうおそれがあります。
そのため、だれかがユーザーに対してグッドケースを示す必要があるわけです。それをサクラではなく、広告費を捻出して、影響力のあるインフルエンサーやその卵に任せてみたほうがよかったのかもしれませんね。
オープンチャットを安全に使うポイント
以上の事件を踏まえて、オープンチャットを安全に使うには、どうすればよいのでしょうか?
これに関しては、大きく4つのポイントがあると思います。
オープンチャットを安全に使うポイント
- その1 暴言を受けて心理的な苦痛を受けたときは家族や専門家に必ず相談する。
- その2 匿名の相手を安易に信用しない。プライベートな付き合いは絶対にしない。
- その3 社会のルールから逸脱しているコミュニティとは関わらない。
- その4 直接会うのは控える。
もちろん、オープンチャットの使い方はユーザーが一人ひとりが自分で判断すべきことですが、使い方次第では危険なトラブルに巻き込まれるリスクを念頭においておきましょう。なお、オープンチャットの公式HPで公開されている安心・安全ガイドラインも確認しておきましょう。