近年、TwitterをはじめとするSNSのアカウントが盗まれるといった不正アクセスの事件が頻発しています。乗っ取りの被害に遭うと、自分になりすまされて不適切なツイートを投稿されたり、危険なサイトに勝手に登録されたりするなど、さまざまな迷惑を被るおそれがあります。
また、証拠隠滅のためにアカウントを消されてしまうこともしばしばあります。実際に、アカウントを乗っ取られてた側としては何としても犯人を特定したいものですよね。とはいえ、アカウントを盗んだ犯人を特定するには、どうしたらいいのでしょうか?
この記事では、Twitterの乗っ取りで犯人を特定する3つの方法を解説しています。また、Twitterアカウントを乗っ取りから守るための予防策についても解説しているので、不安に思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
- Twitterのアカウントを乗っ取った犯人を特定する方法が分かる。
- Twitterのアカウントが盗まれるのを未然に防ぐ方法を学べる。
Twitterの乗っ取りとは?
Twitterの乗っ取りとは、何者かが本人の許可を得ずに他人のアカウントにログインし、勝手に操作することを指します。これは、不正アクセス禁止法に違反する立派な犯罪行為です。
乗っ取り犯たちは、被害者のメールアドレスやパスワードを巧妙に暴き、大切なアカウントを奪ってしまいます。本人のフリをしてフォロワーに詐欺やスパム行為などをはたらくのが定石なのですが、単なるなりすましとは違い、本物のアカウントを悪用しているので、周囲の人たちも騙されてしまう危険性が高いと考えられます。
Twitterの乗っ取りで犯人を特定する3つの方法
それでは早速、Twitterの乗っ取り犯を特定する方法を見ていきましょう。
これに関しては、大きく分けて3つの方法が存在します。
方法1 発信者開示請求を利用する
第一に、発信者開示請求の手続きを行うという方法があります。発信者開示請求とは、インターネット上で他者を誹謗中傷するなどの迷惑行為を働いた発信者に対して、プロバイダを通して本人を特定するための情報の開示を求める仕組みです。
例えば、Twitterのアカウントを乗っ取られて、第三者に対する誹謗中傷のツイートが投稿された場合、被害者と協力して発信者開示請求を行うことにより、犯人を特定することができます。
しかしながら、法的な資格を持たない素人が独力で手続きするのはかなり骨の折れる作業と言ってよいでしょう。実際に、発信者開示請求が成立するには半年以上の時間がかかります。もし、失敗したら、犯人を特定できる日が気が遠くなるレベルで後に押してしまうと考えられます。その意味では、専門家の力を借りたほうがよいと思われます。
なお、発信者開示請求の仕組みについてくわしく知りたい方は、ネット誹謗中傷弁護士相談ナビが公開する記事を参考にしてみてください。一人で申請する場合のやり方も書いてあるので参考にしてみてください。
方法2 弁護士に相談する
第二に、SNS分野に特化した弁護士に相談するという方法があります。近年では、SNSに関連する事件が増えていることもあり、弁護士業界ではSNS絡みの法的問題を専門として扱う人たちが次々と誕生しています。
繰り返しになりますが、独力で発信者開示請求の手続きを行うのは事務的な負担が大きいと考えられます。
けれども、犯人を特定するためのアクセスログには保存期限が設けられているため、できるだけ早く申請を完了させて、Twitter社に対応してもらう必要があります。
したがって、経済的負担が発生しますが、犯人を何としても特定したいのであれば、不正アクセス禁止法に関する実務経験を持つ弁護士に依頼するのが最も効率の良い方法ではないでしょうか。さらに、犯人を特定した後の損害賠償請求なども含めて相談できるので、一石二鳥と言えるでしょう。
方法3 被害者等通知制度を活用する
第三に、被害者通知制度を利用するという方法が存在します。
被害者通知制度について、内閣府男女共同参画局のホームページでは次のように定義されています。
被害者その他の刑事事件関係者に対し、事件の処理結果、公判期日、刑事裁判の結果等を通知することにより、被害者を始めとする国民の理解を得るとともに、刑事司法の適正かつ円滑な運営に資することを目的とする制度です。
内閣府男女共同参画局『被害者等通知制度』より引用(最終確認日:2021年12月13日)
要するに、裁判を行った際に、被害者が事件の処分や加害者の情報などを知らせてもらうための仕組みです。この制度を使うためにはまず裁判を起こさなければなりませんが、上手く活用できれば犯人の詳細を知るための有効な手段になると考えられます。
乗っ取りを予防する5つの対策
一方、乗っ取りの被害を未然に防ぐことができれば、犯人を特定する必要もありません。
具体的に、どのようにすれば、Twitterのアカウントを盗まれないように予防できるのでしょうか?
これに関しては大きく5つの対策があると考えられます。
対策1 ログインパスワードを複雑な英数字にする
第1の対策として、ログインパスワードを複雑なものに変更することが挙げられます。
同じ英数字を繰り返したり、他サイトで登録しているものを使い回すことは避け、他人に特定されにくい組み合わせのパスワードを使用しましょう。
法則性のない英数字を組み合わせることはもちろんですが、大文字や小文字、記号も駆使することでより防犯性を高めることができます。なお、パスワードを変更する方法については以下の通りです。
パスワードを変更する方法
- ステップ1 タイムライン左上にあるアイコンをタップします。
- ステップ2 「設定とプライバシー」を選択します。
- ステップ3 「アカウント」をタップします。
- ステップ4 「パスワード」をタップします。
- ステップ5 現在のパスワードを入力して、新しいパスワードを設定して完了。
なお、パスワードを忘れてしまった場合は、再発行の手続きを行ってください。具体的な方法を知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
対策2 無闇に外部のアプリを連携をしない
第2の対策として、外部アプリの連携を無闇に許可しないことが挙げられます。
Twitterはグローバルな市場で使われていることもあって、さまざまな企業が関連アプリケーションを開発しています。しかし、そのなかには個人情報を盗み取ることを目的としたアプリも紛れ込んでいます。
したがって、開発会社がよく分からなかったり、Twitterの開発ポリシーやガイドラインに抵触するような内容を掲げたりするサービスは利用しないほうが賢明です。
もし、誤って外部アプリを連携してしまった場合は、すぐに連携を解除しましょう。念のため、パスワードや登録している個人情報を変更しておくことも推奨します。
対策3 二段階認証をオンにする
第3の対策として、二段階認証を使用することが挙げられます。
通常、Twitterにログインする際にはユーザーIDとパスワードのみを使用しますが、二段階認証をオンにするとそれに加えてSMSに送信される認証コードが必要になります。
ログイン時の手間は増えるかもしれませんが、自分が登録した電話番号にしか認証コードは送信されないので、セキュリティを向上させることができるのでおすすめです。
二段階認証をオンにする方法
- ステップ1 タイムライン左上にあるアイコンをタップします。
- ステップ2 「設定とプライバシー」を選択します。
- ステップ3 「アカウント」をタップします。
- ステップ4 「セキュリティ」をタップします。
- ステップ5 「二段階認証」を選択します。
- ステップ6 「ショートメール」の隣にあるスイッチをオンにします。
対策4 怪しいURLにアクセスしない
第4の対策として、怪しいURLにアクセスしないということが挙げられます。
みなさんのなかにも、TwitterのDMで知らない人から謎のURLが送られてきた経験のある方もいると思います。
それは十中八九、個人情報を盗みとるためのスパムサイトへの誘導であると考えてよいでしょう。
悪質なハッカーはあの手この手を使って何とかURLをクリックさせようと企んでいます。近年では、amazonや佐川急便などの運送会社になりすましてメッセージを送りつけてくる人たちもいるので注意してください。
アクセスしたら最後、あなたのログイン情報だけではなく、クレジットカードの情報も盗まれてしまうかもしれません。
対策5 偽サイトに引っかからないように注意する
第5の対策として、偽サイトに引っかからないように注意することが挙げられます。
例えば、ハッカーはTwitterのログイン画面と全く同じデザインして、Twitterの利用者にURLをばら撒きます。
そして、ユーザーがTwitterの公式ページと勘違いして、ユーザーIDとパスワードを入力すると、ログイン情報を盗まれてしまうといった仕組みになっています。
偽サイトを見破るのは極めて難しいですが、ドメインだけは本物のTwitterとは異なるのでよく見てみてください。参考までに、TwitterのログインページにアクセスするためのURLを掲載しておきます。
https://twitter.com/i/flow/login
乗っ取りには速やかに対応しよう
アカウントの乗っ取りを放置すると、自分のユーザー情報が奪われるだけでなく、自分がフォローしている人やフォローされている人の情報まで漏れてしまう危険性があります。
また、乗っ取りの事実を知らない人間からすると、あなたがTwitter上で詐欺や迷惑行為をしているように見えてしまい、あらぬ誤解を受けてしまうかもしれません。
自分や周囲への被害を最小限に留めるためにも、乗っ取りには速やかに対応するようにしましょう。