インスタでタイムラインに表示されている投稿を見ている際に、広告をタップしたことのある人たちもいるはずです。実際のところ、国内外をはじめ数多くの企業がインスタに広告を出稿しています。しかしながら、なかには、詐欺グループによる悪質なスパムが紛れ込んでいることがあります。
いわゆる、「広告詐欺」と呼ばれるものです。とはいえ、実際に見破るにはどうすればよいのでしょうか?
この記事では、インスタの広告詐欺を見破る4つの特徴を紹介しています。また、「インスタの広告詐欺に騙されてしまったときに返金できるのか?」という疑問についても紹介しているので、インスタを利用している人たちは参考にしてみてください。
- インスタの広告詐欺を見破れるようになる。
- 実際のインスタ広告詐欺の実例から対処法を学べる。
- 広告詐欺に引っ掛かった時に返金が可能か分かる。
インスタの広告詐欺を見破る4つの特徴
それでは、実際に、インスタの広告詐欺を見破るにはどうすればよいのでしょうか?
これに関しては、インスタに出てくる広告詐欺の特徴を把握しておくことが重要です。
ここでは、広告詐欺に見受けられる4つの性質について説明していきます。
特徴1 値段が相場よりも圧倒的に安い
第1に、特定の商品を相場よりも圧倒的に安く販売している広告は詐欺である可能性があります。
例えば、GUCCIやHERMESといった高級ブランドの商品が通常価格の半額から8割引といった値段で売られている場合、ほぼ間違いなく偽物を販売している事業者の広告であると言ってよいでしょう。
とりわけ、近年では有名企業になりすました偽物の広告が蔓延しており、商品を購入したけれども、いつまで待っても届かないというトラブルも起きています。

安い金額の場合、詐欺にあっても社会勉強として泣き寝入りする人たちも多く、詐欺グループは少額を奪うというやり方でたくさんの人々からお金を巻き上げているのです。
特徴2 WEBサイトの文章がおかしい
第2に、広告詐欺はWEBサイトの文章が日本語としておかしいという特徴があります。
通常、インスタで広告詐欺を行うグループは、海外を拠点に活動していることが多いようです。おそらく、外国を標的にすることで捕まりづらくしているのでしょうが、詐欺グループの構成員たちが必ずしも日本語が堪能であるわけではありません。
実際に、広告詐欺のコンテンツを作成するときに、彼らはGoogle翻訳などの一般的なツールで現地の言葉を直訳していると考えられます。そのため、ホームページや広告に掲載されている文章が日本語としておかしくなるわけです。
ただし、翻訳サービスも発展してきているので、あくまでも特徴のひとつに過ぎないという点に留意しておいてください。
特徴3 運営会社を検索しても出てこない
第3に、広告に掲載されている運営企業を検索しても出てこない場合は、詐欺の危険性があるでしょう。
インスタ広告を出稿するというSNSマーケティングを実行しているのにもかかわらず、運営会社のHPすら作成していないのは不自然です。
もちろん、広告代理店が代行している可能性はありますが、法人である以上はネットで検索すれば何かしらの情報が出てくるはずです。もし、インターネット検索で連絡先などの情報を見つけたら、思い切って確認してみることをおすすめします。
特徴4 フォロワーが外国人ばかりになっている
第4に、広告詐欺が運用するアカウントは外国人ばかりがフォローしていることが多いです。
その理由は、インスタ上であたかも支持されているように見せかけるために、フォロワーを購入しているからです。知らない人たちもいるかもしれませんが、実はフォロワーやいいねを販売している事業者がいくつかいます。もちろん、これはインスタのルールに反する行為なので絶対に真似してはいけません。
とはいえ、ぱっと見の数字に騙されてしまう人は決して少なくありません。「フォロワー数が多いから信頼できる事業者だ」と判断するのは間違いです。量よりも質が重要です。なお、フォロワーを購入することについて知りたい方は次の記事をご覧ください。

インスタに蔓延る広告詐欺の事例
とはいえ、実際には、どのような広告詐欺が起きているのでしょうか?
ここでは、代表的な3つの事例を紹介します。
事例1 ルイ・ヴィトンの広告詐欺
はじめに、2020年にルイ・ヴィトン西武池袋店の名前を不正に利用した広告詐欺を発生しました。
やはり、高級ブランドの名前に加えて、実店舗名になりすますと、本当のような錯覚に陥りやすくなるので、被害を受けてしまった人たちもいるはずです。これに関しては、西武池袋本店も次のように注意喚起しています。
最近、ルイ・ヴィトン西武池袋店の名前を不正に利用した悪質なデジタル広告が存在することを確認しております。西武池袋本店およびルイ・ヴィトン西武池袋店におきまして、ルイ・ヴィトンの商品を割引価格ならびにオンラインでの通信販売をしている事実は一切ございません。お客さまにおかれましては、十分にご注意くださいますよう、お願い申しあげます。
SEIBU『ルイ・ヴィトン西武池袋店の名前を不正に利用した悪質なデジタル広告について』より引用(最終確認日:2022年6月18日)
冷静に考えると、ハイブランドが商品をあまりにも安い価格で販売することはあり得ません。なぜなら、それはブランドそれ自体の価値を失墜させるからです。繰り返しにはなりますが、安いに騙されないように気をつけましょう。
事例2 ダイソンの広告詐欺
続いて、ダイソンが格安で販売されている広告詐欺を閲覧して購入した人たちもいるようです。
恐ろしいことに、通常価格は27,500円する掃除機が7,698円の破格の値段で売られていたとのことです。詐欺であることに気づかなければ、かなりお買い得に感じますよね。
実際に、商品を販売しているサイトにアクセスしようとすると、プライバシーが保護されませんと警告が表示される危険なサイトであることが判明しました。

事例3 高島屋のなりすまし
最後に、高島屋のロゴや店名を無断で使用して、インスタの公式アカウントになりすます悪質な広告詐欺も起きています。これに関しては、高島屋の公式HPでも次のように注意が促されています。
高島屋のロゴや店名を無断で使用して、あたかも当社の公式アカウントであるかのように装い、SNS広告を出すなどの迷惑行為を行うアカウントを確認しております。当社の対応といたしましては、偽アカウントを発見次第、スパム報告を行っております。
高島屋の公式アカウントは、こちらのページに記載しているアカウントが対象です。
@から始まるユーザーネームのご確認をお願いいたします。
お客様にはご心配とご迷惑をおかけいたしますが、被害防止のために偽アカウントの投稿や広告をご覧になった際は、当該アカウントのブロックをお願いいたします。
高島屋公式HP『偽アカウントにご注意ください』より引用(最終確認日:2022年6月18日)
実際、ロゴや店名を悪用したアカウントを偽物と見抜くのは至難の技です。だからこそ、広告を見たときは一度、運営会社の公式HPを確認して裏どりをしておくことが大切だと言えるでしょう。
広告詐欺の被害を受けたときの対処法
なお、インスタで広告詐欺の被害を受けてしまったときはどうすればよいのでしょうか?
ここでは、大きく3つの対処法を紹介していきます。
方法1 代引きの受け取り拒否を実行する
第1に、広告詐欺の決済手段が代引きの場合、荷物を受け取り拒否することで被害を防ぐことができます。
代引きはクレジットカード支払いと違って、事前に金銭のやり取りを行いません。だからこそ、受け取り拒否が効果的に働くわけです。
なお近年では、勝手に荷物を送りつける詐欺も横行しているので、変なものやおかしいものは受け取らないように気をつけておくことが大切です。
方法2 クレジットカード会社に電話する
第2に、詐欺業者であることに気付いたら、すぐにクレジットカード会社に利用停止の電話をかけてください。
とにかくスピードが勝負です。万が一、放っておいた場合は限度額分の損害を受ける危険性があります。
カード会社のなかには、詐欺被害に対する補償制度を設けているところもありますが、原則として自己責任であると思っておいたほうがよいでしょう。
方法3 専門家に相談する
第3に、広告詐欺の被害を受けたら一人で悩まずに、弁護士や警察などの専門家に相談しましょう。
近年では、SNSのトラブルに強い弁護士も増えつつあります。また、警察組織に設置されているサイバー犯罪対策課では、広告詐欺に引っ掛かった後の対応についてアドバイスをもらえるはずです。
いずれにしても、泣き寝入りするのではなく、被害者として問題を解決することを推奨します。
騙されたときに返金は可能?
なお、広告詐欺で騙されたときは返金してもらえるのでしょうか?
結論から言えば、決済手段によっては返金されないことがあるので注意してください。これに関しては、専門家から指示を受けるのが最も有効な対応策になると考えられます。
なお、クレジットカード決済の場合は、消費者が請求を拒否できる抗弁権と言われる制度があるので、広告詐欺であることを証明できれば、決済を無効にできる可能性があるので試してみましょう。
都合の良い情報に注意しよう
一見すると、お得に見える広告が詐欺である危険性があるのは恐ろしいことですよね。けれども、インスタをはじめとするSNSが、国内外の悪人たちから犯罪に利用されることは決して珍しいことではありません。
だからこそ、都合の良い情報を漠然と受け入れるのではなく、どんなときも自分で検証する必要があります。情報に踊らされていると、最終的にはとんでもない不利益を被ることになりかねません。
インスタを積極的に利用している人たちは、これを機会に情報との向き合い方を省みることを推奨します。