インスタでは、周囲にいる人たちには秘密で運用している「裏垢」や削除することを前提に作成された「捨て垢」を使っている人たちがいます。なかには、他人に対して嫌がらせを行うことを目的とする悪質なユーザーも存在します。被害を受けた側からすれば、何とかして相手を特定したいですよね。
実際のところ、裏垢や捨て垢などの正体不明なアカウントから利用者を特定することは可能なのでしょうか?
この記事では、インスタの裏垢や捨て垢を特定する方法5選を紹介しています。インスタで嫌がらせを受けている人たちのお役に立てば幸いです。
- インスタの裏垢や捨て垢を特定する方法をわかる。
- 嫌がらせの被害を受けたときに相手を見破る知識が得られる。
- 安心してインスタを利用できるになる可能性がある。
インスタの裏垢や捨て垢を特定する方法5選
さて、インスタの裏垢や捨て垢を特定するには、どうすればよいのでしょうか?
これに関しては大きく5つの方法があると考えられます。
ここでは、それぞれのやり方を説明していきます。
方法1 ユーザーネームから特定する
第1に、裏垢あるいは捨て垢のユーザーネームから個人を特定する方法があります。
英数字や記号をランダムに組みあせて設定されている場合は難しいのですが、何かしらの意味を込めてユーザーIDが定められているときは特定できる可能性があります。
例えば、「km19901212」というユーザーネームのアカウントがあった場合、「km」はイニシャル、「19901212」は生年月日と推測できます。そのほかにも、個人情報から英数字が設定されている場合は、相手を見破ることができるかもしれないので、疑わしい人に関連するものを調べてみましょう。
加えて、インスタの裏垢や捨て垢で別のSNSと同じユーザーネームを使っている人たちもいます。したがって、ユーザーネームをコピペして各種SNSの検索ボックスに貼り付けて調べてみましょう。必ずしもアカウントの所有者であるとは言えませんが、あなたの知り合いが出てきた場合は本人である可能性が高いかもしれません。
方法2 連絡先を同期する
第2に、連絡先を同期することで裏垢や捨て垢の持ち主がわかる可能性があります。
少々手間はかかりますが、以下の手順を試してみてください。
連絡先を同期して裏垢や捨て垢を特定する方法
- ステップ1 スマホの端末に登録されているすべての連絡先を削除する。
- ステップ2 疑わしい人の電話番号とメールアドレスを連絡先に登録する。
- ステップ3 インスタにログインして連絡先を同期する。
上記の設定が完了すると、インスタ上でおすすめのアカウントとして個人情報の所有者が表示されるかもしれません。もちろん、必ずしも本人であるとは限りませんが、確率としてはゼロではないので試してみてください。
なお、連絡先を削除する前に、バックアップを取ることを忘れないでください。
連絡先の同期方法について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
方法3 発信者情報開示請求を実行する
第3に、裏垢や捨て垢から嫌がらせを受けている場合は発信者情報開示請求を試してみるのも有効です。
発信者情報開示請求とは、ネット上で自分や自社に対して攻撃があった場合に、それを実行した人の住所や氏名を特定するために情報を開示するよう請求する手続きです。近年では、誹謗中傷の被害を受けた有名人が発信者情報開示請求を使ってアカウントの所有者を特定して、損害賠償を請求するケースが増えています。
一見すると、裏垢や捨て垢は正体不明ですが、インスタの運営会社は本人が登録時に入力した情報を保有しています。したがって、正当な理由がある場合はアカウントを開設した人物の個人情報を入手できる可能性があります。これに関しては、ベリーベスト法律事務所が公開する以下のページを参考にしてみてください。
方法4 被害者等通知制度を利用する
第4に、捨て垢や裏垢の持ち主が立件された場合、被害者等通知制度を利用して本人を特定できる可能性があります。これに関しては、京都はるか法律事務所が次のように説明しています。
検察庁には、「被害者等通知制度」があり、被害者やその親族に対して、事件処理の結果、裁判期日、裁判の結果、起訴の場合の犯罪事実の要旨、不起訴の場合の主文・理由の骨子、加害者の身柄の状況などを教えてもらうことができます。警察の制度と異なり、事件の種類による限定はありません。
京都はるか法律事務所公式HP『被害者等通知制度とは何ですか』より引用(最終確認日:2022年4月6日)
もちろん、相手が逮捕された事実を知らない限り、制度を利用しづらいかもしれませんが、インスタのアカウントを悪用した大規模な事件が発生した場合、ニュース等で事件の存在を知ることができる可能性があります。
方法5 SNSの分野に強い弁護士に相談する
第5に、SNSの分野に強い弁護士にアカウントの特定を代行してもらう方法があります。
発信者情報開示請求や被害者等通知制度を利用するには高度な専門技術が必要となります。おそらく、一人で手続きしようすれば、膨大な時間がかかるでしょう。だからこそ、お金に余裕があるならば、専門家に裏垢や捨て垢の特定を依頼したほうが効率的です。
ただし、トラブルの概要を客観的に伝えるためには、参考資料が必要です。そのため、裏垢や捨て垢から嫌がらせを受けた場合は、第三者が状況を把握できるようにスクショなどの証拠を残しておきましょう。
実際に、弁護士を探したい人は「弁護士ドットコム」でSNS関連のキーワードを指定して検索してみましょう。
警察が特定する可能性もある
裏垢や捨て垢を悪用して犯罪に手を染めている場合、警察が個人を特定する可能性もあります。
近年では、インスタをはじめSNSを使った犯罪も増えています。警視庁の報告によれば、SNSに起因する事犯の被害を受けた18歳未満の子どもは1,819人もいるようです。
なかには、誘拐事件に巻き込まれたケースもあります。警察にはサイバー犯罪の専門家もいるので、裏垢や捨て垢といえども、簡単に特定されると言ってよいでしょう。
もちろん、高度なIT技術を持っている犯罪者も存在しますが、それは警察組織でも同様です。今後、民間組織との連携が進んでいけば、SNSのアカウントを使った犯罪の取り締まりもスムーズになっていくのではないでしょうか。
アカウントの悪用は厳禁
裏垢や捨て垢を使っているとはいえ、インスタという外部のサービスを利用している以上、個人を特定するための情報が残るはずです。そして、ちょっとした悪戯の感覚だったとしても、被害を受けた人たちからすれば消えることのない心の残る傷になるかもしれません。だからこそ、アカウントの悪用は厳禁です。
そして、インスタを利用する人たちは自分の身を守るためにもトラブルに巻き込まれたときは、すぐに専門家に相談しましょう。泣き寝入りすれば、他人が同じような被害を受けるおそれもあります。「悪いことは悪い」と野放しにせずに適切な対応を心がけましょう。