インスタやTwitter(ツイッター)が当たり前のように使われているなかで、敢えてSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と距離を取っている人たちもいます。なかには、「ソーシャルメディアから離れたほうが幸福度が高い」と述べている人もいるくらいです。そこには、一体どのような理由があるのでしょうか?
この記事では、SNSをやめた理由とメリットを解説しています。また、「スッキリして楽になったのは本当なのか?」という疑問についても考察しているので、SNS断ちを検討している人たちは参考にしてみてください。
SNSをやめた理由4選
さて、そもそもSNS断ちしている人たちは、どうしてやめたのでしょうか?
その理由は大きく4つあると考えられます。
理由1 時間を無駄にしている気がした
第1に、SNSに費やす時間を無駄にしている気がしたことをきっかけにやめた人がいると考えられます。
TesTee Lab【全年代対象】SNS利用に関する調査によれば、5人に1人がSNSを1日1時間以上利用していることが分かっています。つまり、1年間で365時間以上もSNSの利用に使っているわけです。
TesTee Lab『【全年代対象】SNS利用に関する調査』から引用(最終確認日:2021/12/15)
もし、Twitterやインスタをやめれば、その分の時間を別なことに投資できます。例えば、時給2000円のアルバイトをすれば、1年間で730,000円を稼ぐことができるわけです。あるいは、自分の趣味に没頭するのもよいでしょう。
実際、SNSを見てるだけで生活がよくなるわけではないので、「時間を有効活用する」という発想で距離を取ってみるのもよいかもしれません。
理由2 人間関係が面倒になった
第2に、SNS上の人間関係が面倒になったことが理由でやめた可能性があります。
Twitterやインスタが誕生したことに伴って、私たちはいつ、どこにいても他人と自由にコミュニケーションを取れるようになりました。
しかし、その一方で、一人でゆっくりしたいときでも、知らない人からメッセージが来たり、友達が投稿したことを知らせる通知が届いたりするなどの煩わしさも増えているような気がします。また、相手に反応しないと、「自分も無視される」という恐怖感から嫌々、SNSをチェックしている人たちもいるかもしれません。
すなわち、SNSが自分を自由にするツールではなく、人間関係の中に閉じ込める道具として働いている場合、やめたほうが自分らしく生きやすくなるわけです。
理由3 情報が多すぎる
第3に、SNSを通じて受け取る情報が多すぎることから距離を取るという選択をした人がいます。
実際、Twitterやインスタを開くと、さまざまな情報が飛び交っています。世の中のニュースはもちろん、企業のキャンペーンや個人のライフイベントなどジャンルを問わず、いろんな出来事やネタについてアップロードされています。
けれども、SNSに投稿されているからといって、自分にとって本当に大切な情報とは限りません。むしろ、他人の表現を受け取るだけだと疲れますよね。そして、知らないと損をするような情報さえ逃さなければ、必要に応じて調べればよいので、SNSをやめても困らないわけです。
理由4 他人と比較するのが辛い
第4に、SNSの投稿を通じて他人と比較するのが辛くなったことが理由でやめた人もいるはずです。
Facebookを開けばわかることですが、個人が投稿する内容は基本的に前向きな出来事が多い傾向にあります。冷静に考えると、友達以外の人間関係もあるので、ネガティブな発言をするわけにはいかないですよね。
その結果、タイムラインは成功者や幸せ者の日常で溢れかえってしまう可能性があります。
けれども、人生は喜怒哀楽の繰り返しで辛い時期が長引くことも珍しくありません。そのなかで、SNSで知り合いがきらびやかな生活を送っているのを目の当たりにすると、自分だけが不幸な気がして落ち込んでしまうので、メンタル的にもよくないと考えられます。
だからこそ、SNSをやめることで他人と比較する機会を少なくすることで、自分に集中する機会を作り出しやすくなるのでしょう。
SNSをやめるメリット
以上の理由を踏まえたうえで、SNSをやめると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
ここでは、代表的な3つのメリットについて紹介します。
メリット1 時間を無駄にすることがない
はじめに、SNSをやめることで何となく時間を無駄にすることがなくなるという利点があります。
いうまでもなく、みなさんもとりあえずTikTokやインスタを開いて、おすすめ動画を見ることがありますよね。たいした見たいわけでもないのに、気がつくと1時間や2時間が平気で過ぎていることも珍しくありません。
メリット2 他人と比較して落ち込まなくなった
次に、他人と比較して落ち込むことがなくなるというメリットがあります。
自分が辛いときに同級生たちが成功している姿を見なくても済むので、優劣を比較して落ち込む必要がなくなります。他者の成功を喜べないのはネガティブなことに思えるかもしれませんが、辛いときは自分に集中して、自己の立て直しを優先することが何よりも大切なのです。
メリット3 トラブルを回避できる
おわりに、SNSをやめることでトラブルを回避できるという長所があります。
例えば、暴力的なユーザーから誹謗中傷を受けるリスクが減ったり、Twitterやインスタを悪用した犯罪事件に巻き込まれる確率が低くなったりするなど、SNSが持っている負の影響を受けず済みます。アカウントを乗っ取られて個人情報を盗まれるといった被害も受けることはないでしょう。
SNSをやめるデメリット
一方で、SNSをやめることには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
ここでは、具体的なデメリットを3点紹介します。
デメリット1 暇な時間が増える
最初に、暇な時間が増えるというデメリットがあります。
いうまでもなく、だれしも常に忙しいとは限りません。そのときにちょっとした暇つぶしとしてSNSの投稿が役に立つ場面はたくさんあります。
けれども、完全にやめる場合はTwitterやインスタの投稿を見て時間を潰すことができなくなるので、暇を持て余してしまうかもしれないわけです。
デメリット2 孤独になる
次に、SNSを介して繋がっていた人間関係が希薄になるので孤独になるという短所があります。
実際、普段はあまり連絡を取れなくても、SNSの投稿で友人の近況を知れるのは嬉しいですよね。特に、社会人になると、学生時代の友達と会う機会も減るので、ソーシャルメディアが繋がりを感じさせる装置として機能することもあるわけです。
しかし、SNSをやめると、普段から関わる人以外の近況がわからないので寂しさを感じる可能性があります。
デメリット3 情報が入ってこなくなる
最後に、ソーシャルメディア特有の情報が入ってこなくなるというネガティブな影響があると考えられます。
Twitterやインスタだからこそわかる情報もあるのは事実です。特に、信頼できる個人がSNSで発信する情報はマスメディアの企画よりも有意義なものが多いのは間違いありません。
そのため、SNSをやめると、マスメディアや検索エンジンが提供する情報以外に触れる機会が少なくなる可能性があるわけです。
スッキリして楽になったの本当なのか?
とはいえ、実際にSNSをやめるとスッキリして楽になったのは、本当の話なのでしょうか?
これに関しては、ソーシャルメディアによって焦燥感や欠乏感を抱いた経験のある人なら、心理的にポジティブな結果をもたらす可能性があるかもしれません。逆に、TwitterやインスタなどのSNSを上手に使いこなしている人は、スッキリするどころか不便を感じるに違いありません。
その意味では、SNSそれ自体は悪でも、善でもないのは言うまでもなりません。向き不向きもあると考えられますが、あくまでもユーザーの活かし方によってソーシャルメディアの価値が決まるのです。