みなさんは、バタフライエフェクトという言葉を聞いたことがありますか?
一匹の蝶のたった一回の羽ばたきが、いつか遠い場所で竜巻を起こすかもしれない。先行き不透明な時代を生き抜く知恵のひとつとして、バタフライエフェクトの概念は小さな気づきを与えてくれます。
この記事では、バタフライエフェクトの意味をわかりやすく解説しています。物事を観察する視点について学びたい方のお役に立てれば幸いです。
- バタフライエフェクトの意味がわかる。
- 物事を観察する視点について学べる。
- 小さな変化の重要性について理解できる。
バタフライエフェクトとは?
バタフライエフェクトとは、小さな変化が時間の経過とともに大きな変化になることを意味しています。「バタフライ効果」とも呼ばれています。
バタフライには、「蝶の羽ばたきが地球の裏側で竜巻を引き起こす」という比喩的なイメージが込められています。
すなわち、些細な出来事であっても、さまざまの要因が複雑に絡み合って、世の中を揺り動かす可能性があることをわかりやすく表現しているのです。
バタフライエフェクトの語源
バタフライエフェクトは、気象学者のエドワード・ローレンツが提唱したカオス理論を語源としています。
1972年に、ローレンツはアメリカ振興科学学会にて『予測不可能性ーブラジルの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか』というタイトルの講演を行いました。
その主旨は、気候を決定づける大気の状態が複雑である以上、天気を正確に予測することは困難であるというものでした。
その概念を「ブラジルの蝶」と「テキサスの竜巻」の関係から比喩的に提示したのです。その詩的な表現がわかりやすいこともあって、バタフライエフェクトは世界中で語られるようになりました。
バタフライエフェクトから見出される価値
ただし、ローレンツは「天気の予測を諦めろ」と言いたかったわけではありません。
私たちは複雑な自然現象の実態を寸分の狂いなく捉えることはできないが、最新の技術と研究成果を活用すれば、「最善」の予測はできるはずである。これがローレンツの主張でした。
これは、先行き不透明な時代を生き抜くために求められる根本的な姿勢とも言えると思います。
いつ、どこで、何が起きるのか。それはだれにもわからない。しかし、だからと言って、すべてを諦めて投げやりになっては行き詰まってしまいます。
不確実性に伴う困難に対して活路を見出すためにも、バタフライエフェクトのような概念から導き出される「人間の主体性や可能性」に焦点が当てられるべき時代なのではないでしょうか。
映画やアニメのテーマになっている
バタフライエフェクトは映画やアニメの題材としても人気の概念です。
例えば、2004年にエリック・ブレスとJ・マッキー・グラバーが監督・脚本を担当した『バタフライエフェクト』という映画がアメリカで公開されました。
残念ながら、2021年1月25日現在、『バタフライエフェクト』の映画は、ネットフリックスやアマゾンプライムでは閲覧できないので、興味のある方はDVDをレンタルあるいは購入する以外にありません。
また、日本でも中田秀夫さんが監督した『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』やアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』もまたバタフライエフェクトを彷彿させるような作品であると思います。
たったひとつの出来事から人生が急展開する世界観は、現実から遠いように見えて、極めてリアルなものと言ってよいかもしれません。
すべての人に可能性がある
バタフライエフェクトを主体的に解釈すれば、一人ひとりが現実世界を好転させる可能性を持っていると言えるでしょう。
そして、未来が予測できないほど複雑なのであれば、私たちは互いの将来性を否定できないはずです。
もちろん、現実社会では、必ずしも思ったとおりの結果を得られないかもしれません。しかし、精一杯の努力から生まれたひとつの挑戦が最善の結果を導くことがないとは、だれにも言えないのです。
今は、暗いトンネルのなかで途方に暮れていたとしても、あと一歩進んだら、光が見えるかもしれない。
バタフライエフェクトは、先行き不透明な時代において、人間の可能性にスポットライトを当ててくれる魅力的な概念なのです。