あなたは1日、どれくらいSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に時間を費やしていますか?
若年層を対象にしたリサーチ結果を発信するTesTee Labが10代〜40代以上の男女1,367名対象に実施した『【全年代対象】SNS利用に関する調査』によれば、5人に1人が1日1時間以上利用していることが分かります。
TesTee Lab『【全年代対象】SNS利用に関する調査』から引用(最終確認日:2020/4/29)
インターネットの成熟化に伴って、私たちの生活はモバイル端末に依存するようになりました。SNSを見ないと何だか気持ちが落ちつかないような日々に、うんざりする時はありませんか?
この記事では、SNS疲れを感じる7つの理由と今からできる解消法について紹介しています。SNSで悩んでいる人のお役に立てば幸いです。
- SNS疲れの実態をデータから把握できる
- SNS疲れを感じる原因について理解できる
- 今からできるSNSのやめ方について知ることができる
目 次
10人中3人以上がSNSに疲れている
株式会社アスマークが実施したアンケート調査によれば、20代女性100人のうち65%の人びとが「SNS疲れ経験あり」と回答しています。その他のグループを見ても、10人中3人以上がSNSに疲労を感じていることが分かります。
株式会社アスマーク「SNS疲れに関するアンケート調査」より引用(最終確認日:2020/4/29)
もし、この記事を読んでいる方で「SNSが嫌いになるなんて変なのかな?」と思われている方がいたなら、決してそんなことはないので安心してください。だれも口には出さないだけで、SNSの利用に負担を感じているのです。
株式会社アスマーク「SNS疲れに関するアンケート調査」より引用(最終確認日:2020/4/29)
ツール別のアンケート結果を見ると、FacebookとLinkedInのユーザーが疲労を感じやすいといえます。一方、Twitter、Ameba、Tiktokは、その他のツールよりもユーザーの負担が低くなっています。
SNS疲れを感じる7つの理由

なぜ、人々はSNSでストレスを溜めてしまうのでしょうか? ここでは、いくつかのデータを参照して、SNS疲れを感じる7つの理由について説明します。
理由1 自分の情報が拡散されるのが心配
第一の理由として、「自分の情報が拡散されるかもしれない」と心配して疲れてしまうことが考えられます。
SNSで一度、文章、写真、動画を投稿すれば完全に消すことはできません。自分のアカウントから内容を削除できたとしても、第三者がそれを保存している可能性があります。
そのため、自分の不利益になるような情報が投稿された場合には、それが広がってしまうかもしれないというストレスを背負うことになるのです。
極端な例ではありますが、遊び半分でコンビニのドリンクケースにイタズラした動画や画像を投稿して、本人が営業妨害などで損害賠償を請求されるといった事件もありました。
理由2 毎日チェックするのがつらい
第二の理由として、人々の投稿を毎日、確認することでストレスを感じることが挙げられます。
信州大学の岡本卓也准教授が執筆した『オンラインコミュニティにおけるSNSストレスの低減と主観的幸福感の向上』では、次のような項目が具体的に想定されています。
- 定期的にチェックしないと大事な情報を見落とすのではないかと不安になる
- 友だちの投稿はいつもチェックしないといけない気がする
- コメントに対してすぐに返信しなければ嫌われるのではないかと不安になる
- 友達からのコメントに返信しないとほかのことに集中できない
SNSには、家庭、仕事、学校などの日常生活に関わるコミュニティの人間関係が反映される場合があります。
例えば、学校に行ったときに「昨日の〇〇さんの投稿みた!?」などSNSが話題になることがあります。その会話についていくためには、友達の投稿を見なければなりません。
学校で気を使っているだけでも疲れるのに、家に帰ってもスマートフォンの前でも他人を意識しなればならない。その結果、どこにいても、心が休まらず疲れてしまうのです。
理由3 他人の投稿を見て疲れる
第三の理由として、他人の充実した投稿を見て気分が落ち込むといったことがあります。
株式会社タイムカレントがFacebookを利用している20代〜40代の有職者を対象に実施したアンケートによれば、他人の「リア充(現実生活が充実している)」投稿にうんざりしてSNS疲れを感じている人たちが多いことが分かっています。
株式会社タイムカレント『「リア充疲れ」に関する調査レポート』から引用(最終確認日:2020/4/29)
なお、他のデータを見てみると、イラっとする投稿の具体的な内容は、「友達の多さをアピールした写真」や「セレブチックを強調している写真」などが多いようです。
株式会社タイムカレント『「リア充疲れ」に関する調査レポート』から引用(最終確認日:2020/4/29)
現状に不満を抱いていたり、他人と自分を比較して一喜一憂しやすい人ほど、SNSの投稿に影響を受けやすいのかもしれません。
理由4 嫌いな人ともつながってしまう
第四の理由として、嫌いな人ともつながってしまうことが挙げられます。
SNSでは仲の良くない人から友達申請がきたり、フォローされたりする可能性があります。特に、FacebookやLinkedInなどのSNSはリアルな人間関係の延長上で利用されることが多いので、相手との関わりを避けることはできません。
だれかの「友達申請を送ったからよろしく!」を無視すれば、「あなたは友達ではない」と暗示しているようなものです。
また、CanCamの『SNSでリアル友達をリムーブ&ブロックした理由1位は…まさかのアレ【女子の本音】』によれば、SNS上で嫌いな相手との関係を断つと、あとから嫌味をいわれることもあるといいます。
「男友達から下心丸出しの誘いが来て気持ち悪くなり、LINEをブロックしたら、今度はTwitterのDMが来て、いろんなSNSを使って連絡を取ろうとしてくるあたりがさらにダメだった」(22歳・学生)
「なんでブロックしたの?とLINEが来た。怖かった」(25歳・会社員)
「リムーブしたあと、その友だちに悪口を言われた」(18歳・学生)
「リムーブしたら、リプライが来て、「ねぇ!フォロー外れてるよ!たぶん操作ミスだと思うけど、直しておいてー!」と言われた…。ミスじゃないよ…。でも直接言われると、ミスじゃないよとも言えず「本当だ。スクロールしてる時にミスっちゃったのかも~」と言って、そっとフォローし直しました」(23歳・学生)
CanCam『SNSでリアル友達をリムーブ&ブロックした理由1位は…まさかのアレ【女子の本音】』から引用(最終確認日:2020/5/3)
こうしたトラブルは面倒なので、嫌な人でも親しみを込めて会話しているうちに気疲れしてしまうのです。
理由5 投稿に不自由さを感じる
第五の理由として、友人リストが増えることで投稿に不自由さを感じることがあります。
フォロワーやフレンドが多くなるということは、自分の投稿を評価する人たちが増加することを意味しています。
SNSの投稿でネガティブな発言をすれば、「この人、病んでいる……」というマイナスな印象を持たれるかもしれません。特に、日本社会は本音と建前を分ける文化ですから、心の声を暴露することに嫌悪感を抱く人がいます。
そのため、相手の反応を気にする人たちは、自分の思ったことを発信できなくなってフラストレーションを感じてしまうのだと思います。
理由6 24時間、他人に縛られている気がする
第六の理由として、SNSを通じて24時間、他人に縛られている気がするといったことが挙げられます。
人間は一人でいるのも嫌だけど、だれかといても疲れるといった矛盾した気持ちを持っています。ドイツの哲学者イマニュエル・カントは、この特質を「非社交的社交性」と呼んでいます。
リアルな生活では、家族や友達以外の他人とは適度な距離が保たれています。しかし、インターネットの世界は一方的に人と関わることができるため、常に他人から連絡がくる可能性があります。
したがって、自分が一人でゆっくりしているのに、他人とのやり取りで時間を消耗して疲れてしまうのです。
理由7 背伸びをして疲れる
第七の理由として、良い投稿をしようと背伸びして疲れるといったことが考えられます。
自分に自信がない人ほど「認められたい」「特別な存在でありたい」と願うものです。こうした感情はSNS上の投稿にも現れていきます。
例えば、信頼できる友人がいないのにもかかわらず、友達がたくさんいるようなアピールをしたり、仕事がつまらないにもかかわらず、ビジネスマインドについて意識の高い文章を書いたりしているうちに、自分の外と内が分離して、「一体、私は何をしているんだろう」といった虚しい状態に陥ってしまうのです。
等身大の自分を離れて理想を演出したところで無意味であることを分かっていても、人間関係のなかで一定のポジションを取ることが求められているような気がして負担を感じてしまう……。ある意味では、真面目な人ほど背伸びをして苦しくなってしまうのかもしれません。
今からできるSNS疲れの解消法

それでは、SNS疲れを解消するには具体的にどうすればよいのでしょうか? ここでは、今日からできるSNS疲れの解消方法を紹介します。
方法1 通知をオフにする
「SNSからの通知がうるさい!」と感じている方は、アプリの設定で「通知をオフ」にすることをおすすめします。
これによって、SNSが投稿されるたびにスマートフォンにお知らせがくることを防ぐことができます。
例えば、iphoneユーザーでFacebookからの通知をオフにする場合は、設定からFacebookアプリケーションを選択して「通知を許可」をタップして、項目を外すだけで済みます。

これだけでも、日常生活でスマートフォンからお知らせが来なくなるので、自分の見たいときにSNSを利用できるようになります。
方法2 SNSの利用時間を制限する
また、SNSを使わない時間を設定することも効果的です。
特に、暇なときに何となくSNSを見ることが習慣になっている方は、「何時〜何時までは使わない」とルールを決めて実践しましょう。
iphoneユーザーなら「スクリーンタイム」を使うことで、アプリの利用時間を制限することができます。Androidを使っている方は、特定のアプリにロックをかける「Unity Lock」がおすすめです。
利用頻度にメリハリをつけて、時間の浪費を避けるようにしましょう!
方法3 デジタルデトックスを実践する
スマートフォンに縛られることに疲労を感じている方は、思い切ってデジタルデトックスを実践してみましょう!
デジタルデトックスとは、スマートフォンやパソコンなどのデバイスの使用を控えることで、ストレスや疲労を排泄することをいいます。
近年では、専用アプリも豊富にあるので、自分の使いやすいものを導入してみましょう。例えば、次のようなサービスがあります。

スマ禁
設定した時間が終了するとAMAZONギフト券と交換できるポイントがもらえる。

スマホをやめれば魚が育つ
スマホを放置した分だけ魚が成長するのでゲーム感覚で楽しみことができる。
こうしたツールをうまく活用して、土日休みや長期休暇にデジタルデトックスすることで、SNS疲れなどデバイスから感じるストレスを解消できます。
自分の時間を大切にしよう
SNSが当たり前になったからといって、自分が使って利益を得られるとは限りません。無駄なことに時間を費やして疲れてしまうのなら、思い切ってやめるといった選択も大切だと思います。
デジタル社会において「デバイスとの距離」を見つめ直すことは、他人との関わり方を改善することにもつながります。これを機会に、自分の生活を見直してみるのもよいかもしれません。
別の視点からSNSについて検討したい方は、こちらの記事もご覧ください。



