SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が当たり前のように使われている現代では、利用者のプライバシー権を侵害するさまざまなトラブルが発生しています。Twitterの晒し行為もそのうちのひとつであると言ってよいでしょう。
恐ろしいことに、Twitterで晒された個人情報のツイートは消されたとしても、
この記事では、Twitterで頻繁に使われている晒しの意味を解説しています。また、自分が他人に晒されたときの対処方法も紹介しているので、Twitterを利用している人たちは参考にしてみてください。
- Twitterで見かける「晒し」という言葉の意味がわかる。
- 晒しを受けたときの対処方法を学べる。
Twitterの晒しとは?
Twitterの晒しとは、個人情報を本人の許可を得ずに勝手に投稿することを意味しています。
恐ろしいことに、平成27年版の情報通信白書で報告された調査によれば、アンケートに回答した1,178人のうち4.2%の人たちがSNSで個人情報を暴露された経験があると回答しています。
総務省『平成27年度情報通信白書』より引用
上記のデータを踏まえると、Twitterの利用者の中にも晒し行為の被害を受けているユーザーがいると考えられます。
晒しは罪に問われるのか?
実際のところ、晒し行為は法律上の罪に問われるのでしょうか?
これに関しては、弁護士法人プラム綜合法律事務所の梅澤康二弁護士が次のように述べています。
SNSへの晒しが犯罪となり得るのは、当該行為が以下のような犯罪累計に該当する場合が考えられます。
・名誉毀損、侮辱
・リベンジポルノ
IT弁護士ナビ『SNSへの晒しが犯罪になるケースと被害への対処法』より引用(最終確認日:2021年8月24日)
上記の犯罪に該当する場合は、個人情報を晒した人を罪に問える可能性があると判断できます。くわしくは、法律の専門家に相談してみましょう。
なお、晒し行為はTwitterのポリシーでも明確に禁止されています。
個人情報を本人の許可なくオンライン上で共有することは、晒し行為と呼ばれることがあり、プライバシーの侵害に当たり、Twitterルールの違反とみなされます。個人情報の共有は、関係者に深刻な安全リスクやセキュリティリスクを引き起こし、物理的、感情的、金銭的な苦境をもたらしたりする可能性があります。
Twitterのヘルプセンター『個人情報に関するポリシー』より引用(最終確認日:2021年8月24日)
したがって、ツイートで晒し行為を発見したときはサポートチームに通報するのも一つの手段であると考えられます。なお、Twitterで通報する方法について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

晒されたときの対処方法
実際に、Twitterで自分が晒されたときはどうすればよいのでしょうか?
その対処方法は大きく4つあると考えられます。
Twitterで晒されたときの対処方法
- 方法1 弁護士に相談する。
- 方法2 法務省の人権相談を利用する。
- 方法3 未成年の場合は親に相談する。
- 方法4 警察に連絡する。
ここでは、それぞれの対応について紹介していきます。
方法1 弁護士に相談する
第1に、弁護士に相談して法的な措置を講じるといった対処方法があります。
手続きが面倒ということで億劫に感じる人たちもいるかもしれませんが、晒し行為の被害が深刻な場合は、自分で思い悩んでいるよりも法律の専門家に解決してもらったほうがよいと思います。
とはいえ、なかには「相談料を支払うのが難しい」と思われている方たちもいますよね。実のところ、制限時間はありますが、無料相談を提供している弁護士事務所はたくさんあります。
また、「法テラス」を利用してみるのもよいでしょう。訴訟を起こすとなれば、最終的に費用が発生してしまうので、お金と時間の負担がかかってしまいますが、それを含めて専門家に相談してみましょう。
方法2 法務省の人権相談を利用する
第2に、Twitterの晒し行為に関する被害について法務省の人権相談を利用することも可能です。
法務省には、人権侵害に相当するトラブルについて電話やインターネットを活用して悩みを話せる窓口が設置されています。
実際に、法務省の公式HPには次のように記述されています。
差別・いじめ・DV・ハラスメント・インターネット上の誹謗中傷などについて,一人で悩みを抱えていませんか? 法務省の人権擁護機関では,人権に関する相談を受け付けています。人権問題に詳しい法務局の職員等がお話を聞いて,悩んでいる皆様の力になります。
法務省HP『人権相談』より引用(最終確認日:2021年8月28日)
また近年では、LINEで相談できる仕組みも整っているので、子どもから大人まで利用しやすくなっています。
方法3 未成年の場合は親に相談する
第3に、未成年の場合は親に相談するのも対処方法のひとつです。
SNSのトラブルについて身内に相談するのは嫌だなと感じる人たちも多いとは思いますが、保護者が知らなければ、晒し行為の問題を解決するのが遅れてしまう場合があります。
親としてもTwitterの晒し行為を受けた子どもを責めるのではなく、個人情報を暴露した加害者の責任を問うべきです。「親にバレたら怒られるかもしれない」と感じさせてしまえば、子どもは相談しづらくなってしまいます。
その結果、親も問題に気づくことができないという悪循環を生み出してしまうおそれがあるので注意しましょう。
もちろん、家庭の状況は人によって異なりますが、未成年である以上、親に相談しやすい環境づくりが晒し行為から未成年を守るためには必要であると思います。
方法4 警察に連絡する
第4に、晒し行為が明らかに犯罪に該当するような場合は、警察に連絡するのも手段のひとつです。
具体的には、サイバー犯罪の相談窓口を利用しましょう。こちらのリンクから自分が住んでいる地域に最も近い相談先を選択してください。
とはいえ、晒し行為が犯罪に該当すると確実に言えないような場合、警察としても動きづらいという現実もあります。したがって、自分の被害状況を説明するための資料をあらかじめ作成して、事実を説明してみてください。
一人で抱え込まずに相談しよう
自分が他人に知られたくない恥ずかしいことが晒されてしまったとき、専門家や身近にいる人たちに相談するのが怖いと感じるときがあると思います。
けれども、晒し行為を放っておくと、エスカレートするおそれもあるので、勇気を出して相談してみましょう。
もし、この記事を読んでいる人たちのなかに、晒し行為について一人で悩んでいる方たちがいましたら、当サイトの問い合わせよりご相談ください。
