スマートフォンが普及したことで、Facebook、Twitter、インスタグラムなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が当たり前のように使われる時代になりました。
今となっては、テレビや新聞と同じくらいの影響力を持っていると言っても過言でありませんが、そもそも、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)とは、どういう意味なのでしょうか?
この記事では、「SNSとは何か?」について図を使ってわかりやすく解説しています。ソーシャルメディアとの違いも含めて理解を深めたい方たちのお役に立てば幸いです。
- SNSの意味や歴史について分かる。
- ソーシャルメディアとの違いを理解できる。
- 代表的なSNSを把握できる。
【図解】SNSとは?
SNSとは、Social Networking Serviceの略語で、友人や知人とのコミュニケーションを円滑にする機能や新たな人間関係を構築する場を提供する会員登録型のインターネット・サービスのことを意味しています。
ただ学術的には、SNSの正確な定義は存在しないといわれています。これに関しては、伊藤嘉浩さんと高橋優音さんの論文『日本企業におけるSNSを用いたマーケティング戦略:有効な活用とマネジメント』には次のように書かれています。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SocialNetworkingService)の定義は、最も広義には「社会的ネットワークをネット上で構築するサービス全般」であるが、正確な定義は存在しない。
伊藤嘉浩・高橋優音(2014)『日本企業におけるSNSを用いたマーケティング戦略:有効な活用とマネジメント』から引用(最終確認日:2020/5/7)
上記の引用から考えても、SNSはインターネットで人間関係を作る仕組みといってよいと思います。
なお、SNSと似ているSMS(ショート・メッセージ・サービス)は携帯電話の番号を使ったメールサービスで、全く違う概念なので混同しないように注意しましょう!
SNSの始まりに定説はない
SNSの始まりについて定説はありません。ただ、大向一輝さんの論文『SNSの歴史』によれば、2002年に開設されたFriendsterがSNSとして多くのユーザーを獲得した最初のサービスなのだそうです。
日本国内でも、2004年にGREEやmixiのサービスが開始しました。特に、mixiは20代女性から支持されたことをきっかけとして広がり、2010年3月末には、1985万人の会員数を獲得しています。
しかしながら、スマートフォンが普及したことで、ガラパゴス携帯の時代に流行していた日本初のSNSは、Facebook、Twitter、インスタグラム、LINEにシェアを奪われて一気に衰退していきました。
SNSの具体例
それでは、広く一般的に使用されているSNSの代表例について紹介していきます。おそらく、読者のみなさんもアカウントをお持ちなのではないでしょうか。
例1 Facebook
Facebookは世界的に有名なSNSのひとつです。自分のプロフィールを登録して、友人や知り合いなどとネットワークを形成することに特化したプラットフォームです。
創業者のマーク・ザッカーバーグがハーバード大学在学中に開発しました。驚くべきことですが、2020年6月時点のユーザー数は約27億人です。地球の人口が75億人ですから、3人に1人はFacebookの利用者ということになります。
例2 Twitter
TwitterもまたポピュラーなSNSのひとつです。今となっては、自分の考えたこと、感じたこと、体験したことをリアルタイムでつぶやくスタイルは国を超えて根付いています。
Twitter社によれば、全世界で1日にツイートされる数は5億を超えるそうです。まさに「地球の声」といっても過言ではありません。マスメディアでは取り上げられることのない当事者の意見を知ることもできるので、非常に便利な情報収集ツールとしても活用されています。
例3 LINE
LINEは韓国企業NHN株式会社の傘したにある日本法人NHN Japan株式会社が開発したチャット型のSNSです。2020年現在、LINEは日常の連絡手段として定着しており、スマートフォンの必需アプリとして地位を確立しています。
おそらく、docomo、au、ソフトバンクの三大キャリアで設定したメールアドレスを使っている人は今ほとんどいないのではないでしょうか。なお、「LINEはSNSなのか?」という疑問もよくあるので、くわしく知りたい方は次の記事をご覧ください。
例4 インスタグラム
インスタグラムは写真を共有することに特化したSNSです。国内では、2014年から日本語対応アプリをダウンロードできるようになって、2019年末には約3,000万人のユーザーを獲得しました。
「インスタ映え」という言葉が社会現象となっているように、インスタのユーザーに受けが良い写真が撮れるスポットや飲食物が開発されるなど経済にも大きな影響を与えています。
ソーシャルメディアと何が違うのか?
SNSとソーシャルメディアに違いはあるのでしょうか?
結論から言えば、ソーシャルメディアとSNSに違いはありません。総務省が作成した『平成27年版情報通信白書』のなかでは、ソーシャルメディアは次のように説明されています。
ソーシャルメディアとは、インターネットを利用して誰でも手軽に情報を発信し、相互のやりとりができる双方向のメディアであり、代表的なものとして、ブログ、FacebookやTwitter等のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)、YouTubeやニコニコ動画等の動画共有サイト、LINE等のメッセージングアプリがある。
総務省『平成27年版情報通信白書』より引用(最終確認日:2020/9/7)
この引用を踏まえると、ソーシャルメディアとSNSには明確な違いはないと言えるでしょう。実際、英語圏ではSNSをソーシャルメディアと表記するのが一般的です。
個人が情報発信の主役になった
SNSが誕生したことで個人が情報発信の主役となりました。それによって、これまでは見向きもされなかった情報が世間から注目されるようになって、社会問題の解決に貢献した事例はたくさんあります。
しかし、それと同時にSNSのトラブルも頻発しています。
なりすまし、誹謗中傷、ネットいじめ、未成年の誘拐など枚挙に暇がありません。一見、便利なように見えても、一人ひとりが賢く利用しない限り、人生を台無しにしかねない危険性もあるわけです。
だからこそ、SNSについて多方面から検討を重ねて、利用者が適切な使用方法に関するリテラシーを習得することが求められています。