パクツイの意味|通報方法と投稿者が抱える3つの心理を解説!

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Twitter(ツイッター)で話題になったツイートのなかには、過去にバズっていた投稿と全く同じ内容のものを見かけるときがあります。いわゆる、「パクツイ」です。

ツイートも表現の一種である以上、そこには著作権が発生する可能性があるはずです。しかしながら、それを侵害するユーザーを見つけたのならば、具体的にどうすればよいのでしょうか?

この記事では、パクツイの意味を解説したうえで、通報方法と投稿者が抱える3つの心理について考察しています。Twitterを利用している人たちのお役に立てれば幸いです。

この記事を読んで得られること

  • パクツイの意味がわかる。
  • パクツイを投稿する人たちを通報する方法を学べる。
  • パクツイを行う人たちの心理について考えるきっかけになる。
目次

パクツイの意味

パクツイとは、「パクリツイート」の略称で、他人のツイートを盗用して自分のツイートのように発信することを意味しています。例えば、以下のようなケースが「パクツイ」に当てはまります。

BさんはAさんのツイートの内容をコピー&ペーストして、それを自分のアカウントで投稿した。

なお、パクツイは文章をコピー&ペーストされるだけではなく、画像と動画も真似されてしまうことがあるので注意してください。

パクツイは違法性なのか?

とはいえ、実際に、パクツイは違法なのでしょうか?

これに関しては、ツイートの内容が著作物の要件を満たしている場合、パクツイは著作権法違反になり得ると考えられます。すなわち、パクツイは違法行為とみなされるかもしれないのです。

弁護士法人みずほ中央法律事務所公式HPに公開される【『著作物』の定義(基本・創作性の判断基準)】には、著作権の定義として、次のように記載されています。

<『著作物』の定義>

あ 条文規定

思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう

※著作権法2条1項1号

い 著作物の要素

『ア〜エ』のすべてに該当するものが著作物である

ア 思想or感情

イ 創作的(創作性・後記※1)

ウ 『表現』したもの(※2)

エ 文芸・学術・美術・音楽の範囲に属する

弁護士法人みずほ中央法律事務所公式HP【『著作物』の定義(基本・創作性の判断基準)】から引用(最終確認日:2020/3/14)

上記の内容に該当するツイートは著作物になるので、それをパクる行為は著作権の侵害になるおそれがあります。被害者が告訴した場合には、著作権法第109条に基づき処罰される可能性があるかもしれません。

第百十九条 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第三項の規定により著作権、出版権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、同条第四項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第五項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第六項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

電子政府の総合窓口e-Gov著作権法より引用(最終確認日:2020/3/14)

ソースは少し古いですが、弁護士ドットコムニュースの『他人のつぶやきを盗んでツイートする「パクツイ」 弁護士が「著作権法違反」と警告』の記事のなかで、弁護士の柿沼太一さんは次のように述べています。

「『著作物』と言えるためには、ある程度の創作性が必要です。パクられるようなツイートであれば、通常は創作性があるでしょうから、著作物であることが多いと考えられます。

したがって、パクツイ行為は、他人の著作物について、作者の名前を表示せずに、無断で複製・公衆送信していることになり、著作権侵害となります。

より具体的には、複製権や公衆送信権、氏名表示権などの侵害ということになるでしょう」

弁護士ドットコムニュース 他人のつぶやきを盗んでツイートする「パクツイ」 弁護士が「著作権法違反」と警告から引用(最終確認日:2020/3/14)

「いやいや、実際のところは訴える人なんていないでしょ?」と思われる方もいるかもしれませんが、SNSが当たり前のように使われるようになった現代では、時間・労力・お金をかけてツイートを投稿している方がたくさんいます。だからこそ、パクツイで自分の努力が踏みにじられていると思えば、訴えを起こす人が出てこないとは決していえません

また、訴訟を起こされなかったとしても、パクツイから個人名が特定され、社会的信用を失う可能性もあります。デジタルの世界は記録が残るため、一度やってしまったことを簡単に消去できません。「これくらいは許されるだろう」という軽率な行動は控えるべきなのです。

パクツイの違法性についてはSNS分野に強い弁護士に相談してみてください。

パクツイを通報する方法

それでは、実際にパクツイを発見したときには、どうすればよいのでしょうか?

Twitterには、著作権侵害を訴えるための『知的財産権に関する問題のヘルプ』というページが設置されています

可能であれば、そのページにアクセスして、パクツイを投稿しているユーザーを通報しましょう。

具体的なやり方は次のとおりです。

パクツイを通報する方法

  • ステップ1 「知的財産権に関する問題のヘルプ」にアクセスする。
  • ステップ2 問題の項目から「著作権を侵害している可能性のある行為を報告したい」を選択する。
  • ステップ3 パクツイの被害にあっている人を選択する。
  • ステップ4 自分の情報を入力する。
  • ステップ5 著作権を侵害が発生しているプラットフォームを選択する。
  • ステップ6 著作物に関する情報を入力する。
  • ステップ7 パクツイのリンクと著作権を侵害する根拠を説明する。
  • ステップ8 記入した内容に対して責任を持つステートメントをチェックする。
  • ステップ9 電子サインに名前を入力して「送信」を押したら完了。
パクツイを通報する方法
パクツイを通報する方法

ただし、パクツイと判断した投稿が著作権を侵害していることが明らかな場合にのみ、報告するよう心がけてください

これに関しては、Twitterの公式HPにも次のように記述されています。

報告しようとしている素材が著作権侵害にあたるかどうか(フェアユースで保護されているかどうかなど)わからない場合は、通知を提出する前に弁護士にご相談ください。

Twitter公式HP知的財産権に関する問題のヘルプより引用(最終確認日:2021/6/24)

なお、いきなり通報するのではなく、パクツイを投稿している人たちに警告する方法もあります。

例えば、次のような文章をDMで送信して、タイムライン上での謝罪及びツイートを削除するよう依頼することも可能です。

○○○○(アカウント名) 様

はじめまして、△△(警告者のアカウント名など)と申します。この度、当方のツイート内容に盗用が疑われるものが見つかりましたので、確認させて頂きたく御連絡いたしました。

盗用が疑われるツイート

【ツイート内容】

【日付】

酷似するツイート

【ツイート内容】

【日付】

ツイート内容の盗用はTwitterの規約違反及び著作権を侵害する行為に当たる場合がございます。

【期限日】までに上記のツイートを投稿した経緯についてご説明いただきますよう、よろしくお願い致します。なお、盗用をお認めになる場合は速やかに削除及び謝罪いただきますよう、重ねてよろしくお願い致します。

【期限日】までに返信を頂けない場合、当方といたしましては、ツイート内容の盗用は極めて悪質な行為として然るべき措置を取る所存です。

【】内は状況に合わせて修正してください。

パクツイの投稿者が抱える3つの心理

それにしても、なぜ、パクツイを投稿する人たちがいるのでしょうか?

ここでは、パクツイの投稿者が抱える心理を3つの視点から考察していきます。

パクツイの投稿者が抱える3つの心理

  • 心理1 自分が特別な存在だと認められたい。
  • 心理2 広告宣伝に利用したい。
  • 心理3 暇つぶしで意味もなくやってみた。

心理1 自分が特別な存在だと認められたい

第1に、パクツイを投稿している人たちは、自分が特別な存在だと認められたいという心理状態にあると考えられます。

すなわち、過去にバズったツイートを真似することで、複数のユーザーから「いいね」や「コメント」をもらって、注目されている状態に満足感を得るわけです。

人間であれば、少なからず他人から認められたいという感情を持っているのが普通なのかもしれませんが、パクツイは逆効果です。そして、自分のことを卑下しながら、特別な存在になろうとしても意味はありません。

正々堂々と自分のやるべきことに集中して、相手のためにコツコツと努力していれば、他人から自然と尊敬されるようになるはずです。まずは、自分が自分を認められる生き方を身につけていくべきでしょう。

なお、SNSと承認欲求の関係について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

心理2 広告宣伝に利用したい

第2に、パクツイを投稿している人たちは、アフィリエイトなどで収益化したサイトへの集客を図るなど、広告宣伝に利用しようと思っている可能性があります。

Twitterでは、自分の投稿したツイートがフォロワーのリツイートで拡散するだけではなく、フォロワーのフォロワーがリツイートすることで連鎖的に広がっていく「バズる」という現象があります。

パクツイ犯は他人のツイートを使って自分のアカウントをバズらせることで収益を得ているかもしれないのです。

心理3 暇つぶしで意味もなくやってみた

第3に、暇つぶしで意味もなくパクツイしている人たちも少なからずいるでしょう。

合理的に考える人たちは、物事には必ず理由があるはずだと思いがちです。すなわち、パクツイする人には、何か最もらしい原因があると推測するわけです。しかし、この世の中には、全く意味のない行動を取る方たちもいます。自分も例外ではありません。

例えば、公園に寝っ転がっているときに、草花を引きちぎったり、道路を歩いているときに、石ころを蹴飛ばしたりするなど、人間は無闇に迷惑なことをするときもあるのです。

パクツイ警察は慎重に!

また、パクツイを取り締まろうとする「パクツイ警察」の役割を果たす良識のあるユーザーもいます。

パクツイ警察はパクツイを見つけると、「ピピーッ。パクツイ警察です」と相手に注意を促しています。

https://twitter.com/pyodd/status/1416748622440407047

ただし、相手によってはパクツイ警察を「うざい」と逆恨みする危険性もあるので、くれぐれも注意してください。

他人の過ちを諭すことはよいことですが、人間関係ができていないところに正論を振りかざしても、受け入れられない人たちがいることも忘れないようにしましょう。

Twitterのポリシーを忘れずに!

パクツイは良識なユーザーの利用環境に不利益をもたらすだけではなく、ネット社会に著作権侵害を横行させる脅威のひとつです。現状では見過ごされているケースがほとんどのようですが、AIをはじめとする技術革新が進展すれば、パクツイが即時に検出されるようになるかもしれません。

Twitterは、インターネットという公共の場で交わされるコミュニケーションに貢献することを目的としています。この前提を踏まえたうえで、一人ひとりを大切にして、楽しく利用することを心がけていきましょう。

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