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次にくるSNSを考える|Facebook、インスタを超えるツールは生まれるのか

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)と聞けば、真っ先に思い浮かぶのはFacebook、Twitter、インスタだと思います。これらのプラットフォームは地球規模で圧倒的なユーザー数を誇っており、SNS市場で不動の地位を築き上げているといってよいでしょう。

そのなかで次にくるSNSとは一体、どういうものなのでしょうか? すでに、兆候が見え始めていますが、PENDELION編集部では、次世代のSNSはヒトからコトに中心が移り変わったネットワークを形成するものだと考えています

この記事では、PENDELION編集部が考える次世代のSNSについて考察しています。SNS市場について興味のある方たちの参考になれば幸いです。

この記事を読んで得られること
  • SNS市場の動向について理解を深めることができる。
  • 次にくるSNSについて考えるきっかけになる。
  • 次世代型のSNSに関する情報が得られる。

次にくるSNSを考える

次にくるSNSを考えるにあたって、業界の構造について少し考えてみたいと思います。一般的に、これまでに全く無かった新しいサービスが誕生したあとは、それを改善した二番煎じのサービス、そしてユーザーの具体的なニーズに対応して細分化された三番煎じのサービスが誕生します。

一番煎じ、二番煎じ、三番煎じの関係性を表した図

これらが集積して業界が作られていくといってよいでしょう。二番煎じが一番煎じの地位を揺るがすことはよくありますが、三番煎じは一番煎じや二番煎じと違ってSNS市場のニッチな需要を狙った商品・サービスになるので、顧客の数で勝つことは難しいと考えられます。

しかし、一番煎じと二番煎じからすれば、特定のユーザーに絞って資源を使うことは非効率なので、三番煎じと同じレベルの商品・サービスを追求することは容易ではありません。狭いからこそ強みを発揮できるマーケットも存在するわけです。

このようにして、ある市場で売買される商品やサービスは多様化していきます。これを踏まえてSNSの市場を概観したとき、次に来るSNSが二番煎じなのか、それとも三番煎じなのか。あるいは、SNS業界を根本的に変化させるイノベーティブなものなのかを考える必要があります。

これに関しては、まず、Facebook、Twitter、インスタを超える規模で新しいSNSが台頭することはあまり考えづらいというのが現時点の所感です。強いて言えば、中国系のSNSがアジアを中心に展開された場合、これらのツールを凌ぐものになる可能性が少なからずあるというくらいだと思います。

Facebook、Twitter、インスタは、ユーザー数を地球規模にまで拡大することに成功しました。以下のグラフは2020年7月現在の登録者数を示しています。

2020年7月現在、Facebook、Twitter、インスタグラムのユーザー数

果たして、これからまた同じようなプロセスを経て、地球市場に勝負を挑むような新規参入者はいるのでしょうか。これは直感的な見解にすぎませんが、既存のSNSに見受けられるサービスの欠陥を改善して同じようなモデルで競争しても、今から勝てる見込みはほとんどないような気がします。

なぜなら、Facebook、Twitter、インスタも改善行動を日々、繰り返し続けているからです。さらに、彼らはプラットホームが逃している顧客層に向けて自社で新しいSNSを開発しています。そこに0から勝負を挑むには、莫大な資金と労力が必要になります。

もはや、世界三大宗教のような強大な人間のコミュニティを取り込むくらいでないと、既存のSNSからシェアを奪うことはできないと思います。

既存のSNSに感じる問題

壊れたレンガの壁

とはいえ、Facebook、Twitter、インスタグラムが万能というわけではありません。むしろ、だれしもが利用できるサービスであるがゆえの弱点がたくさんあります。ここでは大きく2つの視点から既存のSNSに感じる問題について説明したいと思います。

問題1 情報の質が担保されない

第1に、Facebook、Twitter、インスタグラムなどの主要SNSは、個人に自由な場を与えている以上、情報の質を担保しづらい性質があります。そのため、悪意のある投稿が拡散して、ユーザーや社会全体を危険にさらしてしまうのです。

例えば、新型コロナウィルスの世界的感染で中国との交易がストップして、トイレットペーパーや生理用品が品薄になるといったデマを吹聴したユーザーがいましたが、それを信じた人たちの買い占め行動によって、実際に品薄が発生しました。これは嘘が現実になってしまう恐ろしい事件だったと思います。

インフォデミック 記事 アイキャッチ画像
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億越えの会員数を持っているSNSだからこそ、一人のユーザーがでっち上げたフェイクニュースが次々とシェアされて、社会に悪影響を与えるような事態になりました。

ただ、Twitterのように短い文章で事実を正確に伝えるのは若干、無理があるような気もしています。そもそも140文字という制約は、ユーザーが情報の根拠や背景を明確に示すには不向きな設計です。

したがって、事実の真偽に関しては、ユーザーが自分で判断する以外にありません。とはいえ、投稿内容の信憑性を細かく検証するのは、情報の送受信に関わるユーザーからすれば骨の折れる作業になるため、現実的に難しいと言わざるを得ないでしょう。

その結果、全体として質の高い情報がやり取りされる環境をつくることができなくなるので、正しい情報にアクセスするためにはフォローの対象を取捨選択する以外にありません。ただ、これは相当なリテラシーがないと実現不可能なことだと思います。ここに大規模なSNSの限界があるのではないでしょうか。

問題2 SNS疲れが広がっている

第2に、人間関係に焦点を当てすぎた結果、「SNS疲れ」を感じるユーザーが出てきています。こちらに関しては、次の記事をご覧ください。

データでわかる!SNS疲れを感じる7つの理由と今からできる解消法 アイキャッチ画像
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株式会社アスマークが実施したアンケートによれば、20代女性100人のうち65%の人びとが「SNS疲れ経験あり」と回答しています。その他のグループを見ても、10人中3人以上がSNSに疲労を感じていることが分かります。

SNS疲れアンケート株式会社アスマーク「SNS疲れに関するアンケート調査」より引用(最終確認日:2020/4/29)

既存の人間関係を維持するために24時間365日、デバイスを介して他人とコミュニケーションするのは、だれだって疲れますよね。

今では当たり前のように使われているSNSですが、利用を控えている人たちも少なからずいます。以下の記事では、その内容についてまとめているので、興味のある方はご覧ください。

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ドイツ哲学者イマニュエル・カントは、人間はだれかと一緒にいたい反面、独りにもなりたいという矛盾した気持ちを持っていると言っています。

これを「非社交的社交性」といいます。もしかしたら、日本人のように「本音と建前」を分ける文化のなかに生きている人たちにとって、人間関係が全面に押し出されると気を使ってしまい、自分の思っていることを発信する前に「他人にどう思われるのか?」を考えすぎて疲れてしまうのかもしれません。

人間関係中心からモノやコトに移り変わる

上記で取り上げた問題を解決するには、人間関係中心のSNSからモノやコトに焦点を当てることが一つのアイディアとして考えられます。

すなわち、次にくるSNSは人間関係を構築するためではなく、何らかのモノやコトに関する活動を成就するために不特定多数のユーザーが一定の目的を持って交流するプロジェクト的なモデルになったらよいと思います。

個人差はあると思いますが、Facebookの友達リストが1000人を超えていても、そのなかで日頃から交流し続ける人たちは10%未満だと思います。完全に主観的な意見ですが、友人や家族でもない限り、人間関係は何もないところで維持するのは極めて難しいはずです。

また、匿名性が入り混じりながらも、個人がむき出しになったネット社会は、誹謗中傷や炎上による人権侵害の温床になっています。あるトピックに対する意見を述べただけで人間それ自体に対する悪口を浴びせられる場所で建設的な議論ができるわけがありません。

だからこそ、モノやコトが設定されることで健全かつ持続可能なコミュニケーションが生まれやすくなるのではないでしょうか。

次世代型のSNS

以上のことを踏まえて、ここではPENDELION編集部が考える次世代型のSNSを紹介したいと思います。

その1 Quora

次にくるSNS Quora

すでに有名ですが、QuoraはQ&A型のSNSです。ユーザーは実名で会員登録し、質問する側と答える側に分かれて、特定のトピックを媒体にコミュニケーションを行います。

Quoraは、何らかのテーマに対して複数の意見を概観できることに加えて、「誰が言ったのか」という個人の印象よりも「何を言ったのか」という回答の質が重視されている点が優れていると思います。

今後は、こういう何らかの目的が設定されたプラットフォームが注目されていくのではないでしょうか。

その2 Clubhouse

Clubhouseは音声版Twitterと言われています。まだ公開していないサービスにもかかわらず、100億円以上の投資が集まっているというのですから驚きです。

具体的な仕組みとしては、次の引用にあるとおりです。

Clubhouseは音声版Twitterと言われている、音声SNSです。色んな人の「部屋」に入り、話を聞いたり、手を挙げて参加することが出来る。部屋に入っていれば友達を呼ぶことは出来るが、その友達が承認しないと入らない。オフラインのClubhouseっぽい感覚に近い。

テーマは参加している登壇者が決めるので、かなり自由なユースケースが生まれるのと、今現在はテック業界などの著名人が集まっている。

Off Topic – オフトピック『米国スタートアップ界で話題の次世代SNSアプリ・Clubhouseになぜ100億円以上も時価総額がつくのか?』より引用(最終確認日:2020/9/8)

音声での会話はコミュニケーションを飛躍的に増進させると考えられます。短い細切れの文章を公の場で発信するのではなく、耳で聞いて口で話す対話や議論を条件付きで公開して人々が参加するプロセスでは、自然とマナーや発言の重みを意識しやすくなるはずです。

そして、何よりも相互的なコミュニケーションが発生します。Facebook、Twitter、インスタグラムでは投稿者と閲覧者という固定的な関係を脱することはできないため、両者の間に大きな隔たりがありました。しかし、音声での会話なら、話し相手としてお互いがアクティブになれます。

ClubhouseはSNSのコミュニケーションのあり方を大きく変化させる絶妙なアプローチとして今後、人気を集めていくのではないでしょうか。

絶対の地位はない

いかなる産業においても絶対的な地位は存在しない。これは歴史を見れば、明らかなことです。冒頭では、Facebook、Twitter、インスタグラムを超えるのは現実的ではないと述べましたが、それはあくまでも既存のやり方を改善して焼き直すようなモデルでは通用しないということです。

根本的な問題を解決したり、新しい技術を存分に使って前提となるものを覆すようなものが生まれたなら、業界は一気に変化して今までの当たり前が嘘のように過去になってしまいます。これは主要SNSも同じです。

成熟したSNS市場において、次にくるプラットフォームは現在、抱えている問題をクリエティブに解決するような面白いものであってもらいたい。そう願いつつ、今後も世界の動向をチェックしていきたいと思います。

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