SEO対策で「ロングテールキーワード」という言葉をよく耳にしますよね。マーケティング業界にいる方なら知ってて当然かもしれませんが、果たして、どのような考え方なのでしょうか?
この記事では、ロングテールキーワードの意味を含めて、その本質について考察しています。WEBライターさん、オウンドメディアの開発・運用に携わる方のお役に立てば幸いです。
目 次
ロングテールキーワードとは?
ロングテールキーワードとは「渋谷 居酒屋 おすすめ」や「ゴルフクラブ 初心者 おすすめ」などのように複数のキーワードを組み合わせた検索キーワードのことです。
一般的に検索エンジンに入力されるキーワードの数が増えるほど、ユーザーの意図は限定されていくので、検索ボリュームも減少していきます。すなわち、ロングテールキーワードはユーザーニーズを具体的に捉える検索クエリなのです。

なお、「ロングテール」という言葉は、売れ筋の良い商品の売上よりも特定のニーズに応える商品を集めたグループの売上合計額のほうが高くなる、といった理論に由来しています。 いわゆる、「ロングテール理論」です。

2004年10月、アメリカWIRED誌の編集長を務めていたクリス・アンダーソンさんが「the Long Tail」という記事のなかで提唱しました。
ロングテールキーワードと類似した専門用語に「ニッチワード」というものがあります。ニッチとは隙間を表しており、競合が少ない領域を指しています。一方、検索ボリュームの少ないキーワードは「ビッグワード」と呼ばれています。
ロングテールキーワードの本質とは?
とはいえ、ロングテールキーワードの本質は、ロングテール理論にはあるとはいえません。
例えば、2020年3月6日現在の「グロースハック」の月間検索ボリュームは次のとおりです。
- グロースハック(3600)
- グロースハックとは(390)
- グロースハック 完全読本(140)
- グロースハック 会社(90)
- グロースハック 事例(90)
- グロースハック ジャーナル(70)
- グロースハック ツール(30)
②~⑦の検索ボリュームを合計しても「810」で①の「3600」には遠く及びません。すなわち、ロングテール理論は通用しないことになります。
もちろん、「どのようなビッグワードとロングテールキーワードを対比させるのか」で結果は変わります。しかし、それは理論と呼べるようなものなのでしょうか?
検索ボリューム10000のキーワードに対して、検索ボリューム500のキーワードを21以上集めれば、合計値として後者が上回るのは当然です。それは理論的な話というよりも「そうした」という結果論に過ぎません。
ロングテールキーワードの名称はロングテール理論に由来しますが、その本質はユーザー・ニーズが具体的に表現されていることにあります。
ここで「ゴルフクラブ」と「ゴルフクラブおすすめ」のキーワードを例に考えてみましょう。それぞれの検索ボリュームは次のとおりです。
- ゴルフクラブ(40500)
- ゴルフクラブ おすすめ(1000)
一見すると、「ゴルフクラブ」の方が圧倒的に検索ボリュームが多いので、アクセス数を稼ぐには「ゴルフクラブ」というキーワードを狙った情報コンテンツを作成したほうがよいと考える方もいるかもしれません。
しかし、ゴルフクラブと検索しているユーザーは一体、何を意図して検索しているのでしょうか?
ゴルフクラブが欲しいのか、それともゴルフクラブを売りたいのか。抽象的なキーワードからは具体的な意図を読み解くことはできません。
その一方、「ゴルフクラブ おすすめ」というキーワードは「ゴルフクラブ」と比べて検索ボリュームは少ないですが、ユーザーが「おすすめのゴルフクラブについて知りたい」というニーズは明確です。
この「知りたい」という需要には、「欲しい・買いたい」という欲求も含まれている場合があります。そのため、ユーザーが「ゴルフクラブ おすすめ」で検索してアクセスした情報に満足すれば、その商品を購入する可能性があるかもしれないのです。
ロングテールキーワードのメリット
ロングテールキーワードの本質を踏まえたうえで、3つのメリットを紹介していきます。
メリット1 競合が少ない
第一のメリットとして「競合が少ない」という点を挙げられます。繰り返しになりますが、通常、検索エンジンに入力されるキーワードの数が増えるほど、ユーザーのニーズが具体化されるので、検索ボリュームは減少していきます。

そのため、ロングテールキーワードで上位検索を狙う業者の数も少なくなって競争率が低くなるのです。
メリット2 ユーザーを限定してコンバージョンを高める
第二のメリットとして「ユーザーを限定してコンバージョンを高める」という点を挙げられます。ここでは、「渋谷 居酒屋」の検索クエリを具体例として考察してみましょう。
居酒屋といってもジャンルは豊富です。イタリアン、フレンチ、中華、韓国料理、和食などの国別に限らず、焼肉、海鮮、野菜などの食品別も考慮すると、幅広い種類を含んだキーワードであることが分かります。
しかし、「渋谷 居酒屋」という検索クエリでは、各店舗の個性を反映することはできません。すなわち、「渋谷 居酒屋」と検索するユーザーが居酒屋を探していることは分かりますが、何を食べたいのかまでは分からないのです。
「渋谷の居酒屋ならどこでもいい」という人は別として、「和食」や「中華」などの希望がある場合、「渋谷 居酒屋 和食」や「渋谷 居酒屋 中華」というロングテールキーワードで、ユーザーを限定してSEO対策をしたほうがコンバージョン率を高めることができるかもしれません。
メリット3 キーワードの種類が豊富!
第三のメリットとして「キーワードの種類が豊富」であることを挙げられます。先ほどの「グロースハック」を参照して説明します。
- グロースハック(3600)
- グロースハックとは(390)
- グロースハック 完全読本(140)
- グロースハック 会社(90)
- グロースハック 事例(90)
- グロースハック ジャーナル(70)
- グロースハック ツール(30)
グロースハックという単一のキーワードだけだと、コンテンツは総合的な内容に限定されてしまいますが、ロングテールキーワードの要素となる「とは・完全読本・会社・事例・ジャーナル・ツール」の用語を合わると、コンテンツの企画を具体的かつ豊富に設定することができます。
5分で出来る!ロングテールキーワードを無料で簡単に探す方法
とはいえ、ロングテールキーワードを探すには一体、どうしたらよいのでしょうか? いくつものツールがあるなかで、検索ボリュームとセットで調べる便利な無料ツールがあります。
それはウーバーサジェスト(Ubersuggest)です。ウーバーサジェストの概要は、こちらの記事を参照してください。

STEP1 ウーバーサジェストにアクセス
Google検索「ウーバーサジェスト」より引用(最終確認2020/3/26)
第一に、ウーバーサジェストにアクセスしましょう!検索エンジンに「ウーバーサジェスト」と入力して検索して、「無料キーワード提案ツールUbersuggestでSEO対策」のタイトルをクリックしてください!
STEP2 キーワードを入力する
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/ より引用(最終確認日:2020/3/26)
ウーバーサジェストにアクセスしたら、ページ内の検索エンジンにロングテールSEOの対象となるキーワードを入力しましょう!ここでは、グロースハックという言葉で検索してみます。
STEP3 キーワード候補を全て見るをクリック!
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/より引用(最終確認日:2020/3/26)
すると、グロースハックというキーワードに関する情報が表示されますので、スクロールして「キーワード候補を全て見る」をクリックしましょう!
https://neilpatel.com/jp/ubersuggest/より引用(最終確認日:2020/3/26)
たったこれだけの作業でグロースハックを除く24種類のロングテールキーワードを検出してくれました。圧倒的に便利です……。
ロングテールキーワードで優良コンテンツをつくる
ロングテールキーワードはユーザーニーズを的確に捉えるのに役立ちます。ただ、ロングテールキーワードだからSEO対策に有利と考えるのは軽率な判断です。
ニーズが限定されて競合が少ないからといって、上位検索されるわけではありません。
あくまでも「可能性が高い」というだけで、根本的には「ユーザーに適した優良コンテンツを作成する」ことが重要です。
ロングテールキーワードを活用して、魅力的な情報を発信して、ウェブサイトのコンバージョン率をアップさせましょう!