スマホの普及に伴って、メールアドレスの代わりにLINE(ライン)でコミュニケーションが取られる時代になりました。その結果、やり取りの手段をLINEに切り替える法人も増えています。そこで使用されているのが「LINE WORKS(ライン・ワークス)」です。いわゆる、ビジネス版のLINEと言ってよいでしょう。
しかしながら、私生活で使用しているLINEの利用方法と似ていることから、ラインワークスでもプライベートな使い方をして失敗している人たちがいるようです。とりわけ、「個人トーク」が上司に見られたら「やばい」という人たちもいるのではないでしょうか?
この記事では、「ラインワークスの個人トークは見られる?」という疑問について考察しています。また、監視されるリスクや筒抜け具合も紹介しているので、自分が働いている会社でラインワークスを使用している人たちは参考にしてみてください。
- ラインワークスの個人トークが見られる可能性の有無について正確な知識が得られる。
- ラインワークスの個人トークが監視されるリスクについて考えるきっかけになる。
- ラインワークスの適切な使い方がわかる。
ラインワークスの個人トークは見られる?
結論からいえば、ラインワークスの個人トークは見られる可能性が非常に高いです。
その証拠として、ラインワークスのヘルプセンターでは次のように記述されています。
管理者はメールやトークの内容をモニタリングできます。
LINE WORKS ヘルプセンター『トークやメールの内容を監視できますか?』から引用(最終確認日:2022年12月2日)
上記の引用を踏まえると、ラインワークスの個人トークは、自分の上司が管理者である場合は閲覧されると考えておいたほうがよいでしょう。そのため、ラインワークスでは、プライベートなメッセージを絶対に送ってはいけません。常に「他人に見られている」ことを忘れないように使いましょう。
実際、ラインワークスのアカウントを取得して試してみたところ、管理者の権限でメンバーが第三者とやり取りしているトーク内容はもちろん、送信者と受信者、日時までがはっきりと一覧で閲覧できました。
万が一、仕事や上司の愚痴や悪口を言おうものなら、あなたの信頼は失墜して会社での居場所を失ってしまうおそれがあります。もちろん、会社内の個人的な誘いもやめておきましょう。プライベートと仕事をしっかりと縦分けて使用することが自分の身を守るための鉄則です。
残念ながら、トークルームを削除しても、管理画面の履歴は消えませんでした。
ラインワークスで監視されるリスクはある?
とはいえ、ラインワークスで個人トークを見る機能があるとはいえ、監視されるリスクはあるのでしょうか?
これに関しては、ラインワークスの管理者がITリテラシーとセキュリティ意識が高い場合、メンバーが監視される可能性はあると言えるでしょう。こればかりは、管理者の性質によって異なるので、使用状況をチェックされても問題が起きないような使い方を日頃から徹底することが重要です。
特に、メンバーが使用しているデバイスや直近90日間のアクセス履歴を取得できるので、個人PCでのアクセスが禁じられていたり、リモートワークで稼働状況を知らせる必要があったりする場合は注意しておきましょう。これに関しても、ラインワークスのヘルプセンターに以下のように記載されています。
メンバーがモバイル版LINE WORKSアプリとDriveエクスプローラーを使用したデバイスの一覧と各デバイスの詳細情報を確認することができます。
LINE WORKS ヘルプセンター『メンバー情報の管理』から引用(最終確認日:2022年12月2日)
直近 90 日間にLINE WORKSにアクセスしたデバイスの一覧が表示されます。
LINE WORKS ヘルプセンター『メンバー情報の管理』から引用(最終確認日:2022年12月2日)
実際に、それぞれのメンバーごとにアクセス状況を見れるので、「ログインして顧客とやり取りしていた」と嘘をついたとしても、必ずバレてしまうので気を付けましょう。
逆に、自分やITに疎い人が管理者の場合、ラインワークスをメンバーを監視するレベルで使いこなせない可能性があるかもしれません。ただ、人事の変更で管理者が変わったときにバレる可能性はあります。その意味では、どのような状況でも公私混同は避けましょう。
トーク内容は管理者に筒抜け
以上のことを踏まえると、ラインワークスのトーク内容は管理者に筒抜けであると言わざるを得ません。しかし、そもそも会社で使用しているコミュニケーションツールですから、自分が閲覧されて困るようなやり取りを本来的にすべきではないのです。その意味では、仕組みとして筒抜けでよいわけです。
とはいえ、プライベートで使い慣れているからこそ、LINEを使うような感覚でラインワークスを利用してしまう人たちがいるのも現実です。したがって、管理者側でメンバーがラインワークスを登録するときに、使用上のリスクについてきちんと事前に説明してあげたほうがトラブルが起きづらいと考えられます。
企業の一員としてコミュニケーションしている以上、メンバーがラインワークス上で実行したトークに会社的な責任が生じるのは当たり前のことです。
だからこそ、管理者はトーク内容をチェックすることに躊躇する必要はありません。大切なことは、メンバーがラインワークス上のトークが見られるものであることを自覚して使うことなのです。
安全に使えば便利なツール
ラインワークスはコミュニケーションツールとして非常に便利なツールです。顧客からしても、日頃から使い慣れているLINEのほうがコンタクトを取りやすいはずです。そのため、うまく使いこなしさえできれば、営業活動やリピーター戦略にも活かせるでしょう。
なお、個人トークを見られて失敗してしまった方は、まずは管理者に対して真剣に謝罪しましょう。失った信頼を取り戻すのは簡単ではありませんが、失敗から挽回する力を身につけるのも大切です。その後の仕事ぶりで自分の意識が変化したことが伝われば、いずれ許してもらえるはずです。