日常生活でメール以上にLINE(ライン)が使われるようになってきました。株式会社ガイアックスが公開する『主要SNSユーザー数データ資料』では、2019年の国内におけるLINEユーザーは約8,200万人と報告されています。
株式会社ガイアックス『2020年4月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ』より引用(最終確認日:2020/5/8)
他のSNSと比べても圧倒的な利用者数であることが分かります。その背景には、スマートフォンの普及に伴ってメールよりも気軽にコミュニケーションが取れるチャット文化が定着したことが挙げられます。
その先頭に立つアプリが「LINE」です。
こうして今では当たり前になったツールですが、そもそも「LINEってSNSなの?」といった疑問を持たれる方がいます。そこで、この記事ではLINEとSNSについて解説していきます。
「SNSとは何か?」といったそもそも論についても記述しているので、SNSをはじめて利用する人たちや素朴な疑問を感じている人のお役に立てば幸いです。
- LINEとSNSの関係について理解できる
- 「SNSとは何か?」を簡単に学べる
- LINEについて詳しくなれる
LINEとSNSに違いはない!
結論からいえば、LINEはTwitter、Facebook、Instagramなどと同様に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のひとつなので違いはありません。

SNSの意味から詳しく考えてみましょう。学術的にはSNSの正確な定義は存在しないといわれていますが、伊藤嘉浩さんと高橋優音さんの『日本企業におけるSNSを用いたマーケティング戦略:有効な活用とマネジメント』に次のように書かれています。
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SocialNetworkingService)の定義は、最も広義には「社会的ネットワークをネット上で構築するサービス全般 」であるが、正確な定義は存在しない。
伊藤嘉浩・高橋優音(2014)『日本企業におけるSNSを用いたマーケティング戦略:有効な活用とマネジメント』から引用(最終確認日:2020/5/7)
この引用を踏まえると、インターネットを通じて人間関係を作れるサービスはSNSと呼んでもよいことになります。
LINEはチャット機能がメインとして使われていますが、タイムラインで画像、文書、動画などを投稿すると、不特定多数の人たちと情報を共有できます。
また、友人を介して知らない人とグループでコミュニケーションを取れるので、人間関係が新たに生まれる可能性もあるといえるでしょう。
FacebookやTwitterのように知らない人のプロフィール情報を検索して見れるわけではないので、イメージが持ちづらいかもしれませんが、LINEも立派なSNSなのです。
したがって、LINEとSNSを分けて考える必要はありません。両者はサービスの種類と具体的なコンテンツの関係と理解してよいと思います。
なぜ、LINEがSNSではないと思われているのか?
LINEがSNSとして理解されづらい背景には、メール機能の延長上にあるチャットアプリとして認知されているからだと思います。
つまり、LINEは人と繋がるために利用するというよりも、すでに知っている人たちに連絡するための手段として使われているのです。
また、日本では、モバゲーやmixiがSNSのパイオニアとして知られています。これらのサービスは知らない人たちのページをアクセスして交流することが可能でした。Facebookやツイッターも同様の性質をもっています。
一方で、LINEは相手のIDや電話番号などの情報がなければ相手のページにアクセスできません。そのため、従来のSNSとは違ってプライベートな利用に適しています。この性質が「LINEってSNSなの?」という疑問を生み出す原因のひとつだと考えられます。
他のSNSとの違いについて
さて、LINEの性質をより明らかにするために、Facebook、Twitterのアプリと比較していきたいと思います。以下の表は、匿名性やグループチャットなど9つの機能の有無についてまとめたものです。
機能 | LINE | ||
匿名性 | なし | なし | ある |
メッセージ | できる | アプリ必要 | できる |
グループチャット | できる | できる | できない |
グループページ | つくれる | つくれる | つくれない |
スタンプ | ある | ある | なし |
通話 | できる | できる | できない |
知らない人の ページにアクセス | できない | できる | できる |
イベント機能 | アプリ必要 | あり | なし |
ライブ配信 | できない | できる | アプリ必要 |
Facebookの特徴

上記の表を見ると、Facebookは顔の見える関係を基本とするオープンなコミュニケーションに特化したSNSだといえます。イベントの開催など機能が充実しており、ソーシャルな活動に適したツールです。
Twitterの特徴

Twitterは画像、動画、140字の文章を投稿する日記や今の気持ちをつぶやく機能がメインのサービスです。イベントや通話などの直接的なコミュニケーションをサポートする機能はなく、不特定多数の他人との繋がることはありますが、コミュニケーションが必ずしも発生するわけではありません。
LINEの特徴

LINEは日常生活で関係する人たちと連絡を取り合うのに向いています。友達リストは電話帳の役割を担っており、タップするだけで簡単にチャットを送ることできます。アカウントは電話番号と紐づいており、IDを教えることで人とやり取りができるようになります。
「LINE教えて」は昔でいう「メアド教えて」と同じニュアンスを持っており、個人情報を教える感覚があります。つまり、携帯電話の時代にあったメールや電話の機能をLINEは代替しているのです。
LINEは立派なSNS
以上、「LINEとSNSに違いがあるのか?」について考察しました。他のSNSとは違って、LINEは携帯電話の時代にある機能を代替したことで日常生活の連絡ツールとして使われています。
そのため、SNSとしての性質が分かりづらくなっていますが、グループ活動や新しい人間関係を生み出すLINEは立派なSNSなのです。
