LINE(ライン)の誕生はメールの常識を一変させました。今ではすっかり、チャットで連絡を取り合うことが普通の世の中になっています。
それに伴って、既読無視や未読無視など人々を悩ませるといった複雑な問題が発生しています。この記事では、「既読無視で男女の心理を想像して疲れるのはやめにしませんか?」をテーマにしています。
筆者の所感を徒然に綴ったコラム記事なので、読者のみなさんは一個人の意見として受け取っていただければ幸いです。
既読無視とは?
既読無視とは、相手にメッセージを送って「既読マーク」がついたにもかかわらず返信が来ない状態をいいます。「既読スルー」と呼ぶ人もいます。
2011年6月23日にLINEがリリースされて以来、チャットがコミュニケーションの手段として当たり前になりました。現在では「LINEするね」という言葉が日常生活で使われているくらいです。
株式会社ガイアックスの『2020年4月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ』では、2019年の国内にいるLINEユーザーは約8,200万人と報告されています。
株式会社ガイアックス『2020年4月更新! 12のソーシャルメディア最新動向データまとめ』より引用(最終確認日:2020/5/8)
それと同時に、メッセージの「既読」が見える化されたことで「既読が付いているのに連絡がない=無視されている」という”既読無視”という複雑な問題が発生しています。
TwitterやFacebookなどのメッセージ機能にも、LINEと同じような「既読確認」のサービスが導入されており、最早「メッセージを見るまで人に監視されている」ような息苦しい時代になったような気がします。
なお、Twitterの既読確認や相手に既読したことを知らせない設定に興味がある方は、こちらの記事をご覧ください。
https://pendelion.com/twitter-dm-confirm-to-read既読無視の理由を決めつける前に……
恋愛の領域では「既読無視=脈なし」といった意見をよく耳にします。たしかに、「相手に好意があるなら連絡はすぐに返す」という見解には説得力があります。
メールと比べてチャットは細切れの文章を短時間でやり取りされます。通信環境もガラケー時代とは比べものにならないくらい早くなっているので、タイムラグはほとんどありません。
そのため、日常生活のなかで次から次へとメッセージが送られてきて、それらにすばやく反応し続けなければいけない。
それぞれの過ごし方があるにもかかわらず、「既読無視=相手に好意がない」といったイメージが先行して「返信しないといけない」気持ちになってしまう。
タップ長押しで既読がつかないように相手のメッセージを確認している自分に嫌気がさすときはありませんか?
実際のところ、既読無視には複数の理由があると考えられます。
- 返信するのを忘れていた
- 返信の必要がないと思っている
- 返信する時間がない
- 返信の内容を考えている
- 返信するのに疲れてしまった
- 本当に無視している
けれども、「相手が一体、どのような理由で既読無視に至っているのか?」を代表例や恋愛心理論から決めつけてしまう前に、目の前にいる人と向き合って気持ちを確かめなくてもよいのでしょうか。
もちろん、メッセージを見て連絡を返さないことがハッキリと分かるようになったので、だれしもが相手の気持ちを想像して臆病になるのは自然なことです。
それでも、デバイスの世界から受け取れる相手の情報はほんの一部にすぎないはずです。
頭の中にいる相手は永遠に仮説の存在であり、既読マークや文脈だけで今の本人が抱いている気持ちがわかるものでしょうか。
既読無視から男女の心理を想像して疲れる
検索エンジンは人類が開発した便利な道具の一つです。特に、Googleのシステムは私たちが知りたいことを瞬時に検出してくれます。
既読無視で不安になったとき、「既読無視 理由」「既読無視 女性の気持ち」「既読無視 彼氏」などのキーワードを検索すれば、すぐに関連する記事がピックアップされて情報を得ることができます。
しかし、いくら相手の心理を分析したところで現状が変わるわけではありません。それはまるで、水面に波を起こそうとしているにもかかわらず、投げる石について考えて1日が終わるようなものです。
それ繰り返しているうちに何だか疲れてしまう……。
既読無視で一喜一憂して頭でっかちになるくらいなら、自分を磨いたり、思い切って相手の気持ちを確かめたりするほうが何倍も価値的な過ごし方ではないでしょうか。
もちろん、口で言うのは簡単なことですし、それができれば苦労はありません。けれども、ほんのちょっと勇気で自分の世界が変わるとしたら、それでも今のままでいますか?
何がきっかけで状況が好転するかはだれにも分かりません。
既読無視から相手の心理を想像して疲れきってしまう前に、決断することから始めることが心理的な平和を取り戻すうえで大切なことだと思います。
答えを知るより、目の前にある問題を解く
AすればBになる。CすればDになる。数学の問題を解くように人の気持ちが扱えれば、この世は心理学が最強の学問として権威をふるっているでしょう。
しかし、現実はそうではない。むしろ、脳科学の進展に伴って心理学の世界が積み上げてきたことが問い直されているようです。
また、愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶとはいいますが、その歴史が真実を物語っているとは限りません。
自分というちっぽけな存在を過信すれば痛い目をみることはありますが、挑戦した結果なら学びとして活かすことができる。自分の糧になる。
重要なことは過去から学びながら、今、目の前にある問題を解くことだと思います。相手から連絡が返ってこなくて落ち込むくらいなら、いっそのこと相手の気持ちを知って前に進んだ方がいい。
これは無責任な発言かもしれません。それでも、既読無視から男女の心理を想像して気持ちに蓋をしてしまう前に、泣いたっていいから自分の素直な言葉をぶつけてみるのもよいのではないでしょうか。