Googleの検索エンジンは日々、進化しています。ユーザーが求めているページにアクセスできるように最適化されてきた結果、現在は「Google先生」と呼ぶ人がいるほど何でも調べることができます。
この記事では、Googleのアップデートのなかでも検索エンジンに革命的変化をもたらした「ハミングバード」と呼ばれるアルゴリズムについて紹介していきます。SEO対策やGoogle検索エンジンの仕組みを知りたい方のお役に立てば幸いです。
- Googleのハミングバードに関する知識を得ることができる
- 検索キーワードを分析する視点を得ることができる
Googleのハミングバードとは何か?
ハミングバードとは、検索エンジンに入力されたキーワードからユーザーの意図を読み取り、ニーズに関連したページを検出するGoogle検索エンジンのアップデートのことです。
2013年9月26日に、Googleが検索エンジンのアルゴリズムにハミングバードを実装していたことを発表しました。
具体的な変化として、ハミングバードが組み込まれる前は「掃除機壊れた」で検索すると、掃除機メーカーのホームページがトップに表示されていました。
「掃除機壊れた」というキーワードに「掃除機の購入情報」が紐づけられていたのです。これはユーザー目線というよりも販売業者のSEO対策の結果であると考えられます。
しかしながら、ハミングバードが導入された結果、検索エンジンが「掃除機壊れた」と入力する人たちの意図を「なぜ、壊れたのか?=故障の原因を知りたい」と読み取れるようになったことで、ユーザーが求めているページを検出できるようになったのです。
Google検索「掃除機壊れた」より引用(最終確認日:2020/4/28)
一般的に、このような技術のことを「セマンティック検索」と呼んでいます。
セマンティック検索とは、ユーザーが検索エンジンに入力した文章から意図を読み解いて適切なウェブページを検出する技術のことです。検索の本質をキーワードではなく、そこから生まれるユーザーの質問に置いています。
話しかけるように検索できるようになった
ハミングバードは検索エンジンに根本的な変化をもたらしました。すなわち、ユーザーはだれかに話しかけるようにGoogleの検索エンジンを利用できるようになったのです。
例えば、「渋谷駅の近くにあるお寿司屋さんはどこですか」と入力すると、それに適したページを検出してくれます。
Google検索「渋谷駅の近くにあるお寿司屋さんはどこですか」の結果より引用(最終確認日:2020/4/29)
これは、Googleの検索エンジンが人々の自然な会話を理解できるようになったことを示しています。それは同時に、音声検索の技術が飛躍的に発展したことを意味しています。
実際、Google Homeのようなサービスはセマンティック検索と音声認識の技術が進化したことで生まれたものです。
「OK、Google、音楽を再生して!」と語りかければ、ユーザーのお気に入りの音楽を流してくれる。人とモノの距離が確実に縮まっています。
Google Homeの公式HPより引用(最終確認日:2020/4/28)
今後、人々と情報を適切に結びつけるIOT(モノのインターネット)が加速度的に発展すれば、ドラえもんのようなデジタルパーソナルサポートも実現する日がやってくるかもしれません。
ハミングバードはSEOに影響したのか?
ハミングバードのアップデートは、パンダアップデートやペンギンアップデートと比べて大規模なランキングの変化はなかったといわれていますが、これからのSEO対策に関わるポリシーを提示することになったと考えられます。
それは、キーワード出現率や被リンクのようなユーザーに直接的に関係しない要素ではなく、あくまでもユーザーの質問に適切に回答するコンテンツが評価されるといったことです。いわゆる、コンテンツSEOの前身といってよいのかもしれません。
実際に、「掃除機壊れた」の検索結果のように、ユーザーが情報が記載されているウェブページの検索ランキングが上昇しました。
また、ロングテールキーワードの検索数も増えたといわれています。ロングテールキーワードとは2つ以上のキーワードから形成される検索クエリのことです。
キーワードの数が増えるほど、ユーザーニーズが具体的に表現されるので、ハミングバードの技術と相性がよいわけです。なお、ロングテールキーワードについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

生活インフラとしての検索エンジン
検索エンジンは今となっては生活インフラとして機能しています。例えば、風邪を引いたとき、近くの病院をインターネットで調べたり、髪を切るときに美容室を予約したりと日常生活をおくる上で不可欠な存在となりつつあります。
ハミングバードによってキーワードの背景や意図を読み解けるようになったことで、Googleの利便性は飛躍的に向上したといえます。
「風邪ひいた」や「髪切りたい」という言葉だけで今、自分に必要な情報を手に入れられるのは、ひと昔まえでは考えられなかったことです。
今後も、Googleはユーザーの利便性を向上させるために、更なるアップデートを繰り返していくと思いますが、人々が信頼できる情報コンテンツを提供することがGoogleにとって理想的なウェブサイトであることは変わりません。
すなわち、Googleがアップデートを繰り返すのと同様に、自分が運営するウェブサイトの質と構造を見直して改善し続けるところが検索エンジンの競争を制することができるのではないでしょうか。