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なぜ、出羽守(でわのかみ)は嫌われるのか?意味と捉え方を徹底解説!

アメリカでは当たり前だよ!日本は遅れているね……」と聞いたとき、「へー」と言いながらも、心なしか嫌な気持ちになることがありますよね。

そのような発言に対して、「あの人は出羽守(でわのかみ)だな」と批判することがあります。一体、どういう意味なのでしょうか?

この記事では「出羽守とは何か?」だけではなく、「なぜ出羽守が嫌われるのか」も含めて考察していきたいと思います。

ライターさんが文章を書くときに参考になれば幸いです。

出羽守(でわのかみ)の意味

地球儀の画像

出羽守(でわのかみ)とは、現在の山形県と秋田県にあたる出羽国の長官を指す言葉ですが、他の国や業界を「~では」と事例に出して、何かを批判する人に対する皮肉の意味としても使われています。

例えば、「アメリカでは○○だ」や「パリでは××だ」といったように、他の国を引き合いにして、日本の価値観が遅れていると否定する人を揶揄するときに「あの人は出羽守だ」といいます。

そこには、「アメリカと日本では状況が違うのに、単純に比べるのは間違っている」というニュアンスが込められています。

なぜ、出羽守説法は嫌われるのか?

嫌い 画像

出羽守説法が嫌われるのは、背景や詳細を無視して優劣をつけることに対する違和感や嫌悪感が理由であると考えられます。

具体例を挙げてみましょう。

ヨーロッパ留学から帰国した大学生のA子さんが、同級生のB吉くんとディナーにいく約束をしました。あくる日、A子さんとB吉くんは駅前で待ち合わせて、イタリアン・レストランに向かいました。

B吉くんがレストランの扉を開けて、先に椅子に座ってメニューを見ていると、A子さんは不機嫌そうな顔で「イギリスでは、レディ―ファーストが当たり前よ!これだから日本の男はダメなのよ……」とため息をつきました。

B吉君は少し驚いて「ごめんごめん……」と謝りましたが、A子さんの出羽守トークは止まりません。

イタリアでは、チーズはもっとまろやかな味だわ。日本は本場の味を勉強したほうがよいわ」

海外の大学では、学生は真面目に勉強しているわ。それに比べて日本の学生はサークルばっかりでつまらないわ」

B吉君は我慢できなくなって、「いや、イタリアでもまずいチーズはあるだろうし、日本でも真面目に勉強している人はいるよ。物事の一部を取り出して、全体の優劣をつけるのはどうなの?」と言いました。

すると、A子さんはイラっとした顔をして「Damn it」といって、帰ってしまったのです。B君は「ここは日本だろう」とあきれて、残ったピザを気まずそうに食べました。

これは作り話ですが、A子さんの意見が「ウザイ」と感じるのは、それぞれの国の文脈や詳細を知らないのに、優劣をつけて否定する姿勢が受け入れがたいからではないでしょうか。

現実は多様な姿であるにもかかわらず、自分の見た世界から全体を決めつけて何かを述べるのは、誤解を生む可能性があります。

一体、どれだけのことを理解しているのか。当事者ではない出羽守の上から目線ほど滑稽な姿はないかもしれません。

また、海外のことを知らないB吉君に対して、A子さんが「イギリスやイタリアでは○○だから、日本はダメなんだ」という言い方は、B吉君を蚊帳の外にするような疎外感を与えるおそれがあります。

A子さんがいくら「~では」と事例を挙げたとしても、B吉君には、判断材料となる情報や経験がない。したがって、A子さんの出羽守トークを一方的に聞くしかありません。そのうえ、自分の国を否定されるのですから、嫌な気持ちにならないほうが不思議でしょう。

以上のようなことから、出羽守説法は批判的に受け取られることがあります。比較で優劣を決めることは一歩間違えると、大きなトラブルを招くので注意しましょう。

何のために比較するのか

とはいえ、「~では」と表現すること自体が間違っているわけではありません。事例から何かを述べる人を「出羽守」と頭ごなしに否定するのは視野を狭めることになるでしょう。

大切なことは「何のために比較しているのか?」という目的です。

もし、優劣をつけるために比較するのであれば、出来る限りフェアな関係の対象を選び、詳細な情報を調べる必要があります。

すなわち、「~では、○○だ」という説明を聞く人たちが「正当な評価」と納得すれば、批判されることはありません。あくまでも、内容の問題に焦点を当てたうえで「出羽守」と非難すべきだと思います。

また、優劣を決めるための比較だけではなく、他から学ぼうとする精神もあります

「海外では、このような方法で困難を乗り越えた。だから自分たちも頑張ろう!」というニュアンスであれば、「そうした考え方もあるのか!」と前向きな解釈が生まれることは十分に考えられます。

その意味では、背景や詳細が異なる世界から学ぶ視点として、出羽守は便利な神だといえるのではないでしょうか

出羽守にならないためには……

比較から意見を述べる場合、優性と劣性を断定的に並べるだけでは読み手は納得しません。それぞれの背景の違いを踏まえた根拠のある見解が必要です。

それを無視すれば、出羽守のレッテルを貼られてしまうでしょう。

また、国や文化の違いは優劣を語るだけではなく、そこから学び合う意義を教えてくれるものでもあります。

PENDELIONでは、他者との違いを「後進」と「先進」というような優劣の関係で捉えるのではなく、そこから学び合う価値を大切にしていきたいと思います。

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