
格言のルネサンスvol.005は、ホリスティック・ビューティー・アドバイザーとして活動するYUKIさんが共感するオードリー・ヘプバーンの格言を通して、「インナービューティーから考える美の本質」ついてインタビューしました。
【YUKIさんのプロフィール】
美容系の専門学校を卒業後、大手エステティックサロンに勤務。その傍ら、自身もミスコンなどに挑戦するが、美を競うことに違和感を覚えるようになる。「本当の美しさとは?」を追求するため、イギリス、フランス、オーストラリアに留学。その後、大阪・東京でビューティーサロンの立ち上げに携わる。また、都内高級会員制スポーツジム・スパでスパ・マネージャーを担当し、5,000人以上の美容と健康に携わってきた。2017年より「美容・健康・旅」をテーマにブログやSNSでウェルネスビューティーなライフスタイルやセルフケアの情報を発信している。
【YUKIさんのインスタグラム】

オードリー・ヘプバーンの格言|インナービューティーから考える美の本質

YUKIさんが気に入っている格言は何ですか?
私は、女優・オードリー・ヘプバーンさんの「美しい瞳であるためには、他人の美点を探しなさい。美しい唇であるためには、美しい言葉を使いなさい」という言葉を大切にしています。
森本:なぜ、YUKIさんは女優・オードリー・ヘプバーンの「美しい瞳であるためには、他人の美点を探しなさい。美しい唇であるためには、美しい言葉を使いなさい」という格言を選ばれたのでしょうか?
YUKIさん:私は「インナービューティー」をテーマにブログやSNSなどで情報を発信しています。インナービューティーとは、「内面から溢れ出す美」のことです。日本では、美容効果のある「食」を体に取り入れるアプローチが注目されがちですが、精神のあり方も重要な役割を果たしていると思っています。
この格言に出会ったときは、オードリー・ヘプバーンのような一流の女優さんが生きる姿勢から美のあり方を捉えていることに感動しました!
森本:精神のあり方が美に関わるとは、どういうことなのでしょうか?
YUKIさん:美の価値観は、「自分が世界をどう感じるのか?」が出発点になると思っています。例えば、自然を見て感動する心には、世界から美しいものを発見する力がある。また、「この人、ステキだな!」と思う心には、相手から美しさを見出す力がある。
「自分が何を美しいと感じられるのか?」という幅の広がりが、美の感覚を豊かにしていくことで「外見の美」にも現れてくるのではないかと思います。
森本:なるほど。そもそも、YUKIさんが美容に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?
YUKIさん:私が生まれたときの話なのですが、おばあちゃんが「自分の孫だから可愛いと思うけど、ほんまこの子”ブチャイク”やな」って言うくらい、おサルさんみたいだったんそうなんです(笑)
森本:えー!! 赤ちゃんの頃なんて、ほとんど差がないように思いますが……(笑)
YUKIさん:そうですね(笑) そんな話があったことを後から聞いたこともあって、「私はきれいじゃない」と幼いながらに決めつけてしまったのかもしれません。でも、自分の良いところを見つけてくれる人たちと出会うなかで、「自分らしい美」を見つけられるようになりました。そこから、美容に関心を持ち始めました。
森本:10代ってセンシティブな時期で「自分の容姿が他人からどう思われているのだろう?」と悩む人たちも多いと思います。特に、人から拒絶された経験がコンプレックスになって、年を取ってもなお気にしてしまう……。
いったい、「人から愛される美」とは何なのでしょうか。
人から愛される美ってなんだろう?

YUKIさんは、自分らしくありながらも、「人から愛される美」について、どのように考えていますか?
難しい質問ですね(笑)きっと、美を「単なる個性」の表現だけではなく、魅力的なライフスタイルを通してアウトプットすることで美の共感が生まれるのではないでしょうか。
森本:僕が大好きなモデルにウィニー・ハーロウさんという方がいます。今から6年くらい前ですが、ウィニーさんは自分のライフストーリーから「全てのなかに美が存在する」というテーマでTEDに登壇しています。
この講演は、YUKIさんのいうインナービューティーの本質を端的に表しているのではないでしょうか。
YUKIさん:ウィニーさん、めっちゃかっこいいですね! 見た目の美しさには「個性」があると思います。そこには好き嫌いもあるし、外見として自分の趣味・嗜好に合わないものもあるかもしれません。
でも、美を「単なる個性」の表現ではなく、人びとが共感するライフスタイルを通してアウトプットすることで、「人それぞれ」の立場を超えた「美しさ」が生まれるのではないでしょうか。
森本:たしかに、僕も「生き方として素敵だな」と思いました。ウィニーさんの笑顔からは「白斑」に対するネガティブさは見受けられません。威風堂々とする姿に心の底から感動しました。
白斑は、メラノサイトが喪失することで皮膚に白い斑状の領域が現れる病気です。マイケル・ジャクソンも白斑だったといわれている。
YUKIさん:きっと、ウィニーさんは自分自身と必死に戦ったんだと思います。その軌跡が表情やスタイルに溢れているから、人間としての魅力があるのかもしれませんね。
森本:そうですよね。門外漢ではありますが、ウィニーさんのいう「あらゆるものから美しさを見出す心」に本質があるという話には納得しています。これは、自由の概念にも共通しているところがあると思うんです。
YUKIさん:自由と美が似ている?
森本:はい。自由も「自分が状況をどのように解釈するのか?」という態度によって変化する価値だと考えています。この世には、さまざまな制約が現実的に存在しています。家庭の貧富、能力の優劣など「持たざる側」は「持つ側」を見て、「自分にはない」と感じてしまうことがある。
例えば、「友達はお金持ちでブランド製品を持っているのに自分にはない」という気持ちが「足りない」という感情を生み出すわけです。
その一方で、「あるものを探し」の姿勢は他人との違いではなく、自分の環境から価値を創造します。その前提になるのは「人生に対する態度」だと思うんです。もちろん、「個人の精神性で格差を乗り越えよう!」というのではありません。あくまでも、「個」という視点から自由を捉えた意見です。
YUKIさん:そうかもしれませんね。「美はつくれる」といわれるように、私も姿勢と努力で「だれもが美しくなれる」と信じています。その根幹となる精神性として、「あらゆるものから美しさを発見する心」は、オードリー・ヘプバーンの言葉と同様にインナービューティの本質を表現していると思います。
だれもが「美しい」と感じる心を持っている

YUKIさんは、どのようなことテーマにして「美」を発信しようと思っているのですか?
私は「循環」や「調和」をテーマにしています。だれもが「美しい」と感じる心を持っている。特に、地球、自然などの景色に感動する心は「みんなに開かれた美」として存在しているのではないでしょうか。
森本:「循環」や「調和」というコンセプトには、どのような想いが込められているのでしょうか?
YUKIさん:美の感性は”人それぞれ”で異なりますが、自然の風景には、人類を圧倒する力があると思っています。地球には「美しいと感じる心」を育む力があるのではないでしょうか。
森本:たしかに、地球上には、絶景と呼ばれる「自然の名画」がいくつも存在します。例えば、ジンバブエのザンビアにあるヴィクトリアの滝、アフリカ大陸東北部に流れるナイル川など、もはや文章では伝えられない壮大さがあると思います。



YUKIさん:自然は人間の脅威にもなりますが、その美しさを眺める人を拒むことはありません。みんなに開かれた美なんです。だからこそ、自然や地球を尊重することで、「だれもが美しいと感じる心を持っている」ことに気づけるのではないかと思っています。
森本:なるほど。自分の外側に美の基準が置かれがちな時代では、「自分の美しさ」を見失いがちです。YUKIさんのいう「美の価値」は他人に見せびらかすようなものではなく、ありのままの自分を好きでいられる自信に繋がるのだろうと思いました。
本日はお忙しいところにもかかわらず、格言のルネサンスにご協力いただきまして、誠にありがとうございました!
オードリー・ヘプバーンの名言集

最後に、読者のみなさんにオードリー・ヘプバーンの名言・格言をご紹介したいと思います。
You can tell more about a person by what he says about others than you can by what others say about him.(人の評価は、他の人たちの意見よりも、その人が他の人たちについて何を言っているのかでより分かるものです。)
Why change? Everyone has his own style. When you have found it, you should stick to it.(なぜ変わろうとするの? だれもがそれぞれのスタイルを持っています。自分のスタイルが見つけられたなら、それを変えようとする必要なんてありません。)
As you grow older, you will discover that you have two hands, one for helping yourself, the other for helping others.(年をとるにつれて、自分には2つの手があることに気づくでしょう。ひとつは自分を助ける手。そしてもうひとつは、他人を助ける手です。)
The beauty of a woman is not in a facial mode but the true beauty in a woman is reflected in her soul. It is the caring that she lovingly gives the passion that she shows. The beauty of a woman grows with the passing years.(女性の美しさは外見ではなく、彼女の魂にこそ真実の美しさが映し出されます。彼女の情熱が愛おしく与えられることは思いやりなのです。女性の美しさは年齢とともに成長します。)
心に響く言葉の語り手は真摯な生き様とともにある。
格言のルネサンスは人類の言葉が新しい価値、未来を創造する明日を目指します。